若者たちのスタートアップ。ローマの野菜料理専門店 『Impact Food』ローマ在住ジャーナリスト・茜ヶ久保徹郎【イタリア通信】2024年3月16日
最初にこの店の話を聞いた時には「場所はローマの高級住宅街Parioliの近く、最近流行りの気取ったヴェジタリアンの店」だと思い取材に行きました。しかし店に入ってみると、シンプルな内装で昼はファストフード式。夕食になるとテーブルサービスが付くが値段は変わりません。
私自身は野菜や果物が大好き、食費の中で八百屋への支払いが一番多いようです。しかし肉も好き、1日に一度は肉系のものを食べています。そして肉もどきのハンバーグやステーキ、大豆から作るミルクやチーズもどきなどを「菜食主義ならば、何も無理をして肉やチーズに似せなくてもいいだろう」と思っていました。
そこで店の責任者であるアレッサンドロさんに「なぜ植物食か」と尋ねると:
「私は環境にやさしいステーキハウスを目指し同じ考えの仲間と1年前に Impact Corp を設立しこの店を始めました。私は27歳、仲間もみな20代です。なぜ植物料理かというと、動物の飼育は水をたくさん使いCO2を大量に出し環境の汚染につながるからです。そして『肉』でなく『肉もどき』で十分に美味しい料理が作れることを証明するためでもあります。そしてまた私たちは来店してくれる客に、私たちが提供するものをより深く理解してもらう必要があると考えています。
最近「培養肉」に関する議論が盛んになり、我々が活動する分野、つまり「未来の食品」とされる環境への影響が少ない食品に注目が集まっています。 だからこそ、Impact food は、イタリアの現状を説明し理解を深めてもらおうと考えたのです。現在「肉もどき」の市場、または我々が「肉の進化」と定義する市場は、「持続可能」であるとの意識が高まっているため飛躍的に成長しています。これは地球を守ることを目的とした選択の問題です。私たちの目的は、あらゆる行動、この場合は特定の種類の製品を食べることが、日常的にどのように環境にプラスの影響を与え、循環的な持続可能性を生み出すことができるかを認識してもらうことです。
インパクト・フードの使命は、自然と生命を尊重しながらも、私たちが慣れ親しんでおり、これまで評価してきた味を放棄することなく、環境への影響が少ない食品を選択することです。 もしかしたら、新しいものを発見することさえあるかもしれません。実際、このアイデアにより、人々が食べる楽しみを諦めることなく、情報に基づいた方法で製品を選択できるようになります」
このレストランを開いた若者たちは私が考えていた「動物愛護の為」や「健康のため」のヴェジタリアン、ビーガンでなく、地球の将来までを見据えて環境問題に取り組んでいる人たちでした。
店のメニューの肉もどき食品には、肉の代わりこれを食べることによって節約できる水とCo2の量がパーセントで書かれています。
肉もどきを使ったハンバーガーを試食してみましたが結構おいしくて、知らなければ肉ではなかったことに気づかなかったかもしれません。
ちなみに私が食べたハンバーガーの節約量は、水 : 97%、Co2 : 90%と書かれていました。
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日