イタリアのフリーマーケット【イタリア通信】2025年2月15日
旅の楽しみの一つに朝市の訪問があります。
日本では江戸時代から古着屋や骨とう品などの市が立ち、賑わっていたようですが、イタリアではローマ時代から続いており、いまだ盛んです。
イタリアの町には毎日店を出す食品の朝市と週に一度広場などに出店するリサイクルの市があります。
どちらも活気があり町の雰囲気が感じられ、楽しめます。
そして食品市場もリサイクルのマーケットも古代ローマの時代から開かれていました。
古代ローマ人はギリシャの彫刻や壺、コインなどをコレクションする習慣があり、フォーラムで食料品や古着などとともに販売、また戦利品も置かれていたそうです。
そして中世には市場でなく貴族の間で宗教関係の聖遺物や美術品が直接取引されていました。
ルネッサンス期になるとフィレンツェのメディチ家をはじめローマやヴェネツィアの貴族がこぞって美術品や骨とう品の収集。それに伴って骨董品市場が発展。
そして近代になるとイギリスやフランス、北ヨーロッパの富裕層がイタリアを訪れて骨とう品や美術品を買いあさる「グランドツアー」流行し、イタリア各地でアンティークの市場が活性化します。
現代では国内の殆どの町で週に一度メルカートが開かれ、衣服や雑貨、アクセサリーから骨董品まで並べられます。
旅先で市場が開かれている町を調べ、訪れるのは楽しみの一つです。
ローマの有名な市場はポルタ・ポルテーゼ。
毎週日曜日の朝7時から午後の2時ころまで。数百店が店を並べ大変な混雑です。
しかし最近は新品・中古の衣服やブランド品のコピーやアウトレット商品、靴、バッグ、ベルトなどの革製品に雑貨や生活用品が多く、以前は掘り出し物もあった骨董品の店は少なく、それにスリが多く、私は行かなくなりました。
しかしローマ(だけではありませんが)には骨董品や家具、ファッションから装飾品、レコードや本などを置いているリサイクルショップがあり、私は最近そういった店に足を運ぶようになりました。
MERCATINO(メルカティーノ)と呼ばれているショップは、蚤の市(フリーマーケット)が室内に入った感じ。各コーナーにはブランド品や家具、美術品などが所狭しと陳列されています。
メルカティーノの出品者はフリーマーケットと同じく個人。店は売りたい人から商品を預かってコーナーに並べているのです。
といっても店にはそれぞれの品物を評価する専門の店員がおり、売りたい人と話し合い契約を結びます。
売れた場合は安いものでは50%、高価なものでは20%の手数料を取るとのことです。
イタリアでは旧家の相続人がアンティークの家具や食器類、美術品やアクセサリーなどを処分することが多く、店では専門家を派遣して販売価格を話し合い、契約しています。
珍しい古い家具があったので「日本の客が買ったら」と尋ねると「発送は手配します」との返事でした。
オーナーの一人であるタティアーナさん
「メルカティーノの目的はリサイクル。持続可能な環境にやさしい社会作りに協力することです。そして希少品、ビンテージ品、入手困難なビニールレコードからビンテージコミック、80年代のおもちゃからアンティーク家具、宝飾品などの中から欲しいものを見つける、宝探しを楽しんでいただけます。」
MERCATINO
Via dei Monti Tiburtino 760 Roma
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(134)-改正食料・農業・農村基本法(20)-2025年3月22日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(51)【防除学習帖】第290回2025年3月22日
-
農薬の正しい使い方(24)【今さら聞けない営農情報】第290回2025年3月22日
-
政府備蓄米 JA全農 初回入札で13万2000t落札2025年3月21日
-
配合飼料供給価格 1t400円値下げ 4‐6月期 JA全農2025年3月21日
-
鶏卵 夏以降、生産回復し価格落ち着きか 需給見通し検討委2025年3月21日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】商品券ばらまきで馬脚 「苦しい日本に向かって『楽しい日本』を振りかざすヒラメ男の無神経」2025年3月21日
-
国際協同組合年2025で危機を好機に 日本共済協会が「IYC2025の意義」セミナー(1)2025年3月21日
-
国際協同組合年2025で危機を好機に 日本共済協会が「IYC2025の意義」セミナー(2)2025年3月21日
-
米輸出に意欲 担い手への新たな支援も 江藤農相2025年3月21日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】国内供給を放置して進む輸入米と輸出米の危うさ2025年3月21日
-
【インタビュー】JA全農酪農部 深松聖也部長 結集力で日本の酪農を守る2025年3月21日
-
(427)卒業式:2日前と前日【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年3月21日
-
肉用鶏の衛生水準の向上等に関する検討会 中間取りまとめを公表 農水省2025年3月21日
-
個人番号の利用目的の変更 農林中金2025年3月21日
-
【Jミルク需給変動対策】初の155億円規模基金 非系統含む全酪農家、業者参加を2025年3月21日
-
みちのく産小麦使った喜多方ラーメン 特徴はもちもち感とコシの強さ JA会津よつば2025年3月21日
-
県産野菜、鍋で食べやすく れんこんのシャキシャキ感に合う上品なつゆの風味 JA全農いばらき2025年3月21日
-
日本の小粋な白ワイン 2023農民ドライ ココ・ファーム・ワイナリー2025年3月21日
-
環境配慮の理解が進んだ消費者は農産物に最大16%上乗せしても購入 NTTデータ経営研究所「環境配慮型食品に関する消費者調査」2025年3月21日