「食」の簡便化志向過去最高水準に2018年3月12日
・「健康」が低下、「経済」は上昇
日本政策金融公庫(日本公庫)は3月8日、平成29年度下半期消費者動向調査の結果を発表した。それによると、食の志向は、これまで上昇傾向を続けていた「健康志向」が低下し、低下傾向だった「経済性志向」が上昇に転じるなど、意識の変化が見られた。また「簡便化志向」は過去最高の水準となった。
調査はインターネットによる方法で今年1月に行われた。対象は全国の20歳代から70歳代の男女2000名(男女各1000名)。
「食」を選ぶ基準を聞いた結果、健康志向が42.9%で、前回調査(平成29年7月)よりも1.7ポイント低下したことが分かった。一方、経済性志向は35.1%で前回より2.3ポイント上昇、簡便化志向は31.7%で、前回より0.3ポイント上昇し、
過去最高となった。
国産食品と輸入食品のイメージでは、国産食品は「高い」が72.0%で4半期連続で上昇。輸入食品は「安い」が67.4%で4半期連続で上昇した。また、輸入食品は「安全面に問題がある」が41.9%で、5半期連続で低下した。
輸入食品と比べ、どのくらいの価格レベルまでなら国産食品を選ぶか、いわゆる価格許容度では「3割高を超える価格でも国産品を選ぶ」が18.2%、「3割高までなら」が9.4%「2割高までなら」が18.0%、「1割高までなら」が18.2%で、これらの合計値「割高でも国産を選ぶ 」は63.9%となり、前回調査と同じ値だった。
世帯構成別に見ると、「割高でも国産を選ぶ」と回答した割合は、子供のいない世帯(65.6%)、子どものいる世帯(64.1%)、単身世帯(55.7%)の順となり、子供のいない世帯が最も高い結果となった。
品目別では、子供のいる世帯と子供のいない世帯を比較すると「割高でも国産を選ぶ」割合は総じて両者が拮抗しているものの、牛肉と豚肉では後者が前者を4ポイント程度上回っているのが特徴的だ。またわが国の主食である米は全品目の中で唯一「3割高を超える価格でも国産品を選ぶ」との回答で、子供のいる世帯が子供のいない世帯を上回る結果となった。
なおこの調査における「子供のいる世帯」とは単身世帯以外で20歳未満の子供がいる世帯。また「子供のいない世帯」とは単身世帯以外で20歳未満の子供のいない世帯をさす。
(関連記事)
・生活衛生関係業界の人手不足感が過去最高に 日本公庫(18.03.07)
・千葉・柏の「かしわで」開店14年目の集い(18.03.01)
・生活衛生関係営業の景気動向等調査結果 日本公庫(18.02.14)
・国産農産物の販路拡大を後押し アグリフードEXPO大阪(18.02.08)
・林業・水産業の経営アドバイザー24名誕生 日本公庫(18.02.06)
・進む農業現場でのIT利活用 日本公庫が調査(18.02.01)
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日