JA共済のガバナンス、業務評価体系を議論 規制改革WG2023年3月29日
政府の規制改革推進会議は3月28日、地域産業活性化ワーキンググループ(WG)を開き、農水省が「JA共済事業向けの監督指針」を改正(23年2月施行)したことを踏まえ、同省やJA共済連などにヒアリングをし、JAの共済事業について議論した。WGは新たな監督指針の運用実態、ガバナンスの再構築、通報窓口の改善などについて、同省に対応を促すとともに書面での報告を求めた。
WGでは農水省が指針改正の背景について「推進目標の達成を動機とする不祥事が発生するなど不適切な共済推進が行われている実態に鑑みた」と説明。JA共済連は指針改正を踏まえ、各JAと連携し「総点検運動」を展開しコンプライアンス態勢強化を進めていると述べた。
委員からは、不祥事は「組織風土に起因する問題だ」との声が出た一方で、「全てのJAが悪いということではない。不祥事の件数を公表するべきだ」「工夫しているJAの取り組みを横展開しては」など、同省に実態調査を促す意見も出た。
岩下直行座長(京大公共政策大学院教授)は金融庁の「顧客本位の業務運営に関する原則」に沿ったガバナンス構築、業績評価体系の見直しなどを、JA共済連やJAが「実践してほしい」と述べた。また第三者を入れた通報窓口をJA共済連やJAに設置することも必要だとした。この2点を、同省が取り組みを促す措置について、書面での回答を求めた。
WG後、提出された資料の中で具体的な不祥事の事例が2件だったことについて、事務局は「他にもテレビや週刊誌ではさまざまな報道がある。各県の事情はすべて把握できていない。委員から全県で調査してはとの発言もあった」と述べ、JA共済に関する不祥事報道が議論の背景にあることを示唆した。また「顧客保護の業務運営を適正に行うことが農業者の利益につながり、事業者、国民の利益につながると考える。(不祥事は)農協改革以前の問題だという指摘も委員からあった」とも述べた。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日