中長期米仲介市場を開設 全米販2015年3月24日
全米販(全国米穀販売事業共済協同組合:木村良理事長)は、既存のスポット的な取引きとは異なる「年間を通じた中長期な米の取引の場」を開設し、7月1日から業務を開始すると、3月23日に明らかにした。
全米販が新たに開設する「中長期仲介米市場」は、売り手として500トン以上の生産実績又は集荷実績のある者。買い手として年間1000トン以上の仕入実績がある者が参加するもので、売り手と買い手がそれぞれ「年産・産地・銘柄・等級・受渡地・引取期限・包装・数量」と希望価格を提示。それを全米販(業務実施は(株)クリスタルライス)がマッチングするという仲介方式による実物取引だ。
1回の申込単位は100トン以上。成約した買受米穀の引取りは12トン以上で、買受者は引取り期限までに買受米穀の全量を引取る。手数料は、米穀の引取りの都度、100円/60kgをクリスタルライス社に支払う。登録申込から代金決済までのフローチャートは図の通り。

開設の理由について、全米販の石原一郎常務理事は記者会見で、「現在、価格形成の場としては、全国出荷団体による年間を通じた取引の場と、スポット的な取引の場があるが、これらの取引は、生産者には価格が見えにくい、あるいは年間を通じた価格ではない」と指摘。今回、開設するのは「既存のスポット的な取引の場とは異なる、年間を通じた中長期な米の取引の場」であると説明した。
この市場の特徴については
▽中長期米を扱う市場であること。
▽(相対ではなく)仲介方式による市場である。
▽(置場価格建て、代金事前預かり制による確実な決済など)出荷者に配慮した市場設計になっている。
▽誰でもが参加できる市場である。
ことを挙げている。
このことで「実需に応じた価格設定や価格の透明性が確保」できるとしている。
27年産米の早場米を想定して、7月1日から業務を開始するが、参加・登録の受付は3月23日から始めている。
全米販では、「たくさんの人たちに参加して欲しいので、全米販のメンバーはもちろんJAや実需者へ説明に行く」ことにしているが、買い手としては、米穀卸だけではなく、中・外食や大手小売店の参加を期待している。
取引結果については公表せず、一定の規模になったときに検討するという。また、飼料用米については取扱いしないことにしている。
なお、詳細や取引参加・登録申込書(様式)については、全米販のホームページで。
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