三重県度会町 米づくり存続のためライスセンター新設へ 移住農家がCF挑戦2023年7月6日
三重県度会町で米農業を営む移住農家の「おんじ屋」は7月5日、乾燥調製の工程を自社内で完結できるライスセンターを度会町に新設するため、運営資金をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で募集を開始。募集金額300万円を目指し、9月15日まで支援を募っている。
夫婦で米農業を営む「おんじ屋」は、8年前に度会町へ移住し、新規就農者として米づくりを始めた。最初は1町から始まり、現在は16町の田んぼで米を作り、インターネットなどを通じて直売している。
噛めば噛むほど味わいが深まる「自然本来のおいしさ」を追求し、ファンを獲得。直売を通じて度会町の米の魅力も伝えながら、農家離れの進む田んぼを継いできたが、同町内の農家離れは進むばかり。田んぼが増えても処理できる十分な乾燥施設がなく、一部の乾燥施設もいずれ廃止されるという噂もあり、混乱する個人農家も少なくない。おんじ屋でも任される田んぼが急速に増え、作った米を十分に乾燥処理できる施設が不足していることから、乾燥調製の工程を自社内で完結できるライスセンターを度会町に新設することを決めた。
地元、行政、先輩農家などと何度も相談する中で、中古施設も検討したが、建物の老朽化、田んぼからの移動距離などを考えた結果、新設を決めたところ、「あんたが建てるならわしももう少し頑張る」という農家もいるという。おんじ屋は、今回のプロジェクトを通じて、中山間地・度会町の農村風景を長期的に維持できるよう貢献するとともに、米農家として受け入れてくれた度会町への恩返しも兼ねてクラウドファンディングに挑戦する。
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