米の民間在庫量 来年6月末 198万~229万玄米tの見込み2025年9月18日
農水省は9月18日、自民党の農業構造転換推進委員会と農業基本政策検討委員会の合同会議に主食用米の需給見通しを示した。それによると2026年6月末の民間在庫量は玄米で198万t~229万tとなる見込みだ。
自民党の会合
農水省は今年6月に実施した米の流通実態の緊急調査結果などを踏まえ、25/26年産の主食用米の需給見通しについての基本的な考え方を示した。
それよるとこれまで見通しは一人当たりの消費量の減や人口減少など需要のマイナストレンドが継続することを前提にして算定していた。近年では年間10万tづつ需要減少するとしていた。
また、生産見通しは次年度の期末在庫量の水準をふまえて設定していた。いずれも玄米ベースのみで設定していた。
しかし、流通の実態調査などから需給を把握するためには玄米ベースだけではなく精米ベースでの把握が必要との考えに変える。
また、需要見通しは人口減少のほか、直近の1人当たりの精米ベースの消費量の実績、インバウンド需要の動向、精米歩留まりを考慮して幅を持たせた数値を示す。さらにとう精数量や精米歩留まりの実績を踏まえた需要量の推計を行う。
一方、生産見通しは、6月末時点の水田における作付意向調査や直近の単収、8月15日現在の10a当たりの収量見込みを考慮して幅を持たせて設定するとの考えを示した。
需要見通しをこれまでどおりのマイナストレンドで算出すると25/26年(2025年7月から2026年6月)の需要見通しは668万tとなる。
これに対して1人当たりの消費量でみると、23/24年は49.9kg、24/25年は50.7kgなど直近5年はマイナストレンドではないことから直近5年の平均値と最大値の2つの値に人口を掛けたうえで、インバウンド需要を加えて算定する。
それによると需要量は精米ベースで624万~631万tとなり、これに精米歩留まり率を踏まえて玄米換算する。玄米ベースの需要量は697万~711万tなる。昨年の需要実績と同じ711万tの見込みもあると示された。
一方、25年産米の生産見通しについては作付意向調査結果や8月15日現在の10a当たり収量の前年比見込みから算出し、玄米ベースで728万~745万tと見込んだ。
これによって来年6月末の民間在庫量は玄米ベースで198万~229万tとなる見込みが示された。自民党の会合では民間在庫量が膨らむ一方、政府備蓄米が29.5万tなるため機動的に備蓄米を増やすルールを早急に示すべきだとの意見が出た。
なお、2026年産の生産見通しについては25/26年の需要見通し算定の考え方を踏まえて26/27年需要見通しを算定し、10月中旬に公表される9月25日現在の25年産予想収穫量を踏まえて、需要見通しに対して余裕を持って設定することにしている。
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