東尋坊から「崖っぷち米」大手スーパー「ベルク」と直取引で関東圏初進出 福井県坂井市2025年9月19日
福井県坂井市では、今年の新米約400トンを、関東圏の大手スーパー「ベルク」に直接出荷することになり、名所・東尋坊をイメージした「崖っぷち米」として9月19日から販売。坂井米の関東圏初進出にあたり、9月16日に坂井担い手ネットワークの農家らが坂井市役所で会見を行った。
「崖っぷち米」について説明する坂井担い手ネットワークの農家ら(16日、福井県坂井市役所)
九頭竜川水系の肥沃な坂井平野が広がる坂井市は、毎年コメの出荷量で県内1、2位を争うコメどころ。毎年1万2000トン前後を出荷している。このほど坂井市で、今年の新米約400トンという大量のコメが、直接、関東圏の大手スーパーマーケットに出荷されることになり、出荷納入される新米には、坂井市の景勝地・東尋坊をイメージさせる「崖っぷち米」と名付けた。
坂井市の生産者と直取引したベルクは、関東圏1都6県で150店舗を展開する大手スーパーチェーンで、19日からは、各店頭で販売が始まる。
新米を出荷した(一社)坂井担い手ネットワークの若手生産者らは、「食味に長けた関東圏の消費者でどんな評価を受けるか、今から楽しみ」と売れ行きに注目。また、坂井市の池田禎孝市長も10月以降、埼玉県に出向き、ベルク店頭で坂井米のPRを予定している。
生産者直取引の坂井市産米「崖っぷち米」
ベルクと直接契約し、出荷されたコメは、坂井市担い手ネットワークの17生産者が、同市内で生産した早稲品種「つきあかり」の玄米414トン。同ネットワークはもともと、農地保全や農業振興などを目的に2021年設立し、稲作を中心に25生産者(経営体)で組織している。
埼玉県鶴ヶ島市に本社を置く食品スーパーマーケットのベルクは、一定量のコメが確保でき直接取引できるコメ農家を全国で探していたところ、2024年9月に同ネットワークとのつながりができ、以来、半年以上かけて契約内容などを詰めてきた。
16日に坂井市役所で開かれた会見には、同ネットワークの田中勇樹代表理事(田中農園代表取締役)、宮嵜恵介業務執行理事(みやざき農園代表取締役)とベルクの原島陽一郎専務が出席。同ネットワークは今回、「つきあかり」を選定した理由について「暑さに強い早稲品種でコシヒカリと同等か、それ以上の食味がある。ネットワークでも一定量出荷量が確保できる」説明した。
同ネットワークによると、一等米比率は94.1%で、今年の夏の猛暑の影響も少なかった。坂井平野には九頭竜川水系のパイプラインによって冷たい水が十分確保さてれおり、「その恩恵も大きく、生育を大きく左右している」(同ネットワーク)という。
田中代表理事は「福井のコメで早稲品種でいうと、ハナエチゼン(華越前)が代表格で、主に関西地方に出荷されており、それなりのブランド力はある。ただ、関東圏では福井のコメはさほど知名度がない。食味にこだわる関東圏の消費者に、われわれの坂井米がどのように評価されるのか、期待しかない」と同ネットワークとして初めての"関東進出"に意欲を込めた。
一方、ベルクは最近、精米が自社でできる米穀会社をグループ傘下に置いた関係で、コメ生産者と直接取引するのは初めて。1袋5キロ税別4390円で19日から全150店舗で一斉販売し、取り扱い量はベルク全体の約10%に当たるという。
原島専務は「坂井担い手ネットワークさんと昨年から協議を続けさせていただいて、坂井市が良いコメどころだと理解できたし、パイプラインによる豊富な水で美味しいコメが育つことも分かった」と語る。また、つきあかりを実際に食味して、全量売り切る自信はあると胸を張る。さらに「来年、再来年と坂井の生産者さんといい関係を築き、取り扱い量も増やしたい」と話した。
商品名の「崖っぷち米」は、担い手ネットワークとベルク社の協議する中で、浮上したアイデア。断崖絶壁の景勝地と知られる「東尋坊」の写真を背景に、筆文字で大きく「崖っぷち米」とデザインした。福井県坂井市がどんな市か、市の観光にもつながるように袋裏面には、丸岡城や三国祭の写真なども掲載し、消費者に坂井市をアピールしている。
「崖っぷち米」のコメ袋は、11月以降は「坂井米」に順次切り替えられる。
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