飼料自給率の向上・水田活用に貢献 「米で作る鶏用飼料」で製法特許取得 JA全農2022年6月29日
JA全農は6月28日、採卵鶏用の配合飼料のうち半分を占める穀類をすべて米にする技術で製法特許を取得したと発表した。飼料自給率の向上と水田活用に貢献する技術だ。
穀類をすべて米に置き換えた鶏用配合飼料と鶏卵。卵の見た目は一般的な卵と変わらない
採卵鶏向けの配合飼料の半分はトウモロコシなど穀類が占めるが、鶏は消化能力が高く歯がなくても生の丸粒の米も消化できた。
そのため配合飼料の穀類をすべて米にしても栄養面では問題がない。ただし、現代のシステム鶏舎で穀類をすべて米にしてしまうと、一部の鶏が米を独占的に食べ、他の鶏は残りの大豆カスや炭酸カルシウム、ミネラル分を食べるという問題が起き、鶏が生む卵の色や殻の硬さがばらつくことが分かってきた。
また、飼料が給餌機械のなかで詰まりやすいという問題も発生した。
そのためJA全農とJA全農北日本くみあい飼料は米粒を粉砕するなどの技術により、採卵鶏に給餌する配合飼料の穀類をすべて米にしても問題が起きにくくなる飼料を開発した。
この技術についてJA全農とJA北日本くみあい飼料は2020(令和2)7月9日に特許を出願し、その新規性と進歩性が認められ今年5月19日付けで特許を取得した。
すでに岩手県の養鶏農家にこの飼料が供給されており、生産された卵はJA全農たまごが関東地方の一部量販店で「日本の米食べてます」との商品名で販売している。
この技術は輸入トウモロコシを国産米に置き換えることを可能にし、飼料自給率の向上と水田活用の促進につなげることができる。
JA全農は国産農畜産物の生産振興に向け、この技術の普及に取り組むとしている。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日