農畜産物輸出 平成30年度に207億円-JA全農2016年5月31日
JA全農は5月30日、国産農畜産物の輸出拡大に向け28年度JAグループ輸出拡大推進会議を東京都内で開催した。
同日の会議に出席したのは東日本の県本部、経済連、子会社などの関係者。6月1日には大阪で西日本の関係者を対象に会議を開く。
政府は輸出力強化ワーキンググループを設置し、5月12日に農産物の輸出戦略をとりまとめたほか、それに先立ち自民党の農林水産業骨太方針策定PTも戦略的輸出体制整備について検討を行い、政府に緊急提言を行った。
政府の戦略のなかではJAグループによる青果物のリレー出荷などが重要な取り組みと位置づけられている。
JA全農の中野吉實会長はこうした動きをふまえ「これまで以上にJAグループに対し輸出拡大に向けた役割発揮が期待されている。この会議を起点に組織一丸となって取り組み強化を進めていく。農家がつくったものをどう有利販売していくかが一番大事」とあいさつした。
会議ではJA全農が今後の品目別の輸出計画を明らかにした。
全農と子会社(全農グループ)と経済連、県1JAとして取りまとめたもので27年度の実績は123億7000万円だった。
このうち米は2600t、約7億9000万円だった。これを30年度には1万7000t、32億円に伸ばす。現在、クボタと連携して玄米を輸出し現地で精米販売をする事業を展開しているが、今後は業務用向け精米の販路開拓にも取り組む。
牛肉輸出の27年度実績は466t、約34億5000万円だった。これを30年度には1257t、68億円に伸ばす。牛肉の輸出拡大の課題として、この日の会合では高価格帯のロイン系だけでなくカタロース、ウデなど比較的価格の安い部位の輸出にも力を入れる必要があることなどが確認された。
青果物輸出の27年度実績は3万7000t、約69億3000万円だった。これを30年度には2万t、81億円に伸ばす。輸出数量は少ないが、27年度は単価の安いネギ、ナガイモなどが大きく伸びたためだという。
青果物の輸出拡大の課題はリレー出荷で、今後、イチゴ、ブドウ、桃、柿などを中心に「産地の意向を聞きながら検討する」(JA全農)としている。そのほか、鶏卵やホイップクリームなどの品目も含めて30年度には輸出額合計目標を207億円とした。
会合では物流や商流などばらばらに行われている実態を把握し輸出業務の標準化に向けても今後検討していくことも確認された。
(写真)あいさつするJA全農の中野会長
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