JAグループがアグベンチャーラボ(AgVenture Lab)設立2019年5月28日
農林中金など8団体が合同運営のイノベーションラボ
JAグループは、5月27日、東京都千代田区の大手町ビルに、新たな事業を創造するオープンイノベーションを実現する拠点として、イノベーションラボ「AgVenture Lab」(アグベンチャーラボ)を開設した。
ふんだんに木を使ったAgventure Labの室内
同ラボの運営会社は、一般社団法人AgVenture Lab(代表理事荻野浩輝)で、社員はJA全中、JA全農、JA共済連、農林中金、家の光協会、日本農業新聞、JA全厚連、農協観光の8団体である。
オープニングパーティーで社員代表として挨拶したJA全中の中家徹会長は、「現在はリスクが高まっている非連続の時代で、破壊的イノベーションが起きている。こうした中でチャンスを見出すため、オープンイノベーションに踏み出すことにした。全国8連の英知を集め、大きなイノベーションを生み出していきたい。スタートアップ企業、行政、大学とともに息の長い協力とオープンイノベーションをJAグループの成長につなげ、社会課題の解決とその先の未来に豊かで安心して暮らせる社会を実現したい」と決意を述べた。
社員代表として挨拶するJA全中中家徹会長
来賓として出席した農林水産省経営局長の大澤誠氏は、「人口減少で農村地域を維持できるのかという大きな課題を抱えている。危機をチャンスにし、新しい技術を活用し、さまざまな努力をするためJAグループの総力を挙げてラボを創った心意気に敬意を表したい。農協は新しい技術と地域の現実の両方を見て地域として本当に必要なものを見きわめる力がある。真剣な議論をしてほしい」などと激励した。
来賓挨拶する農林水産省大澤誠経営局長
同ラボは、大手町ビル9階の377坪(約114平方m)のスペースにある。内部はオープンイノベーションを生み出す柔らかなコミュニケーションの仕掛けとして、空間を完全に仕切らず、メンバー同士がお互いの気配を感じられる場創りや、「農」と「Tec」の融合をイメージし、木やグリーン、曲線を用いると共に、映像や光の演出やスタジオのような空間創りを行っている。
農林中金が連携しているフランスの銀行、Credit Agricole(クレディアグリコル)グループのイノベーションハブLe Villageから得たノウハウを活用したものだという。
アグベンチャーラボは、「次世代に残る農業を育て、地域のくらしに寄り添い、場所や人をつなぐ」をコンセプトに、スタートアップ企業やパートナー企業、大学、行政等と協創し、様々な知見やテクノロジーを活用しながら、新たな事業創出、サービス開発、社会課題の解決を目指す。
JAグループは、ラボでの活動を通じて外部企業との連携を強化し、第一次産業や地方が抱える社会課題の解決につながるような新たな価値を創出すべく積極的に挑戦するとしている。
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