JAの活動:今さら聞けない営農情報
農薬の正しい使い方(28)【今さら聞けない営農情報】第294回2025年4月19日
「いまさら」では農薬を正しく、安全に、しかも高い効果を得るため、農薬の正しい使い方の基礎知識をご紹介しようと考えています。農薬の防除効果は、有効成分をいずれかの方法で作物に付着または吸着させることができてはじめて発揮されますので、高い効果を発揮させるには、有効成分をいかに効率よく作物に付着させるかが鍵となります。そこで、水和剤や乳剤、液剤、フロアブル剤など水に希釈して散布する剤型を題材に、それらを効率的に作物へ付着させる方法について整理し、実際に散布する際に気を付けなければならない条件について紹介しています。
今回は結露です。
結露とは、いわゆる朝露など作物の表面がしっとり濡れて水滴がついている現象をいいます。
結露は、暖かい空気が冷やされると、空気に含むことができる水蒸気の量が減るため、余分な水蒸気が水滴となり、空気中に含まれる水蒸気の量が多いと結露が発生しやすくなります。
例えば、水稲では、田面水からの水蒸気を多く含みますので、温度が下がった早朝に結露が多く発生します。
作物の表面が結露し、水滴がついていると、降雨時の散布と同様に農薬散布には不適な条件です。
雨の時と同様に、水滴が散布液が作物に付着しることを妨げますし、かろうじて付着できても、水滴で薬液が薄まって効果の低下が起こる可能性が高くなります。
このため、作物表面に露がついている場合には、作物表面の露を無くしてから散布する必要があります。具体的には、夕刻に散布時間を動かすかか、もしくは先に露を払う作業を行って散布するなどです。
この露払い作業は、無人ヘリやドローンなどを一旦ほ場の上を飛行させて、ローターによるダウンウオッシュを利用して露を落とす作業を行う場合もありますが、作業効率が悪くなりますので、基本的には露が消えるかごく少なくなるのを待って散布する方がよいようです。
これまで、農薬の有効成分が作物に付着するのを妨げる条件について紹介してきました。繰り返しになりますが、農薬は病原菌や害虫、雑草に直接作用してはじめて効果を現すものですので、有効成分を作物に付着または吸収させる必要があります。そのことを念頭において、散布の際には付着を妨げる条件を回避しながら行うようにするとより効率よく散布できるようになるでしょう。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日