JAの活動:農協改革を乗り越えて -農業協同組合に生きる 明日への挑戦―
【座談会】組合員の思い 言葉に、かたちに(2)2017年10月24日
小林光浩青森県・JA十和田おいらせ代表理事専務
高山拓郎長野県・社会福祉法人松本ハイランド理事長
田村政司JA全中JA支援部教育企画課課長
・・・組合員の声に対し真摯に耳を傾けることを基本に据えないと、改革を組合員や国民に広く伝える力になりません。小林専務は、私たちにとって政府が進めようとしている「農協改革」はなんだったと考えますか。
小林 改正農協法の罪は農協と農村の文化を壊したこと、そして旧法にあった農業者が国に意見を述べる権利(建議権・農協法第73条22の第2項)を外したことです。農業者の権利が奪われたことはJAグループで問題にされませんでした。さらに自主的な組織であり、世界的に認められている農業協同組合の頭脳を奪った罪もあります。JAをまとめているのが全中で、農協組織の頭脳として企画・指導し、検証してJAの方向性を探る機能を持っています。これをなくすことは自主的組織であるJAの頭脳を否定することです。そのことを改めて検証する必要があります。
農業者の権利が奪われたのです。JAは存続をかけてでも戦うべきだったのではないかと思います。よいJAにしようとしているのに農協法でじゃまする必要があるのでしょうか。
田村 それは中央会が命がけで戦った結果であり、そして今があり、将来があるとしかいえません。当時の悔しさは中央会役職員みんな忘れないと思います。これからのエネルギーにしたいと思います。
小林 役職員の勝ち負けではなく、組合員にそのことで戦ったという気持ちがあるかどうかです。組織を壊されて権利を失ったのはJAの主人公である農家組合員です。そのことを忘れてはいけません。変えられた農協法は元に戻せばいいのです。
高山 それを踏まえて今のJAの組織、とくに横の糸としての農家組合等の基盤組織との関係性の強化に向けた具体的な方策はあるのでしょうか。
◆地産地消もっと深化を
小林 自己改革については、農業県の青森県として、われわれがやってきたことに自負を持っています。県独自の改革に取り組み、農業生産額で東北一になりました。早い段階で米から脱皮し、果樹や野菜に力を入れてきました。JA十和田おいらせでは、生産部会の支援や営農指導員配置などを含め5億円近く投入しています。われわれにとって自己改革とは、いままでできたことをひたすら続けることです。
高山 農業や地域が変わり、IT化が進行して社会や生活環境が激変しました。組合員のJAへの思いも変わっています。相互のつながりも弱くなりました。農家組合への結集力も低下していますが、縦糸としての生産部会は元気です。横糸の青年部や女性部も含めて、縦・横の糸をどうデザインしていくのか、組合員自身がそのことをもっと認識する仕掛けが必要なのではないでしょうか。
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