JAの活動:JA全国女性大会特集2018 農協があってよかった―女性が創る農協運動
女性パワーで地域を元気に 第63回JA全国女性大会2018年1月26日
・農業・農協の大切さ発信を
・JA改革の後押しに全力
第63回JA全国女性大会が1月24、25日の両日、東京都内で開かれた。「JA女性 ふみだす勇気 学ぼう・伝えよう・地域とともに」のスローガンのもと、約500人が参集し、JA女性組織の活動体験発表やフレッシュミズ作文最優秀賞発表、特別協議(ワールドカフェ)などで、全国の元気部員間の交流と情報交換を行った。また藻谷浩介氏(日本総合研究所主席研究員)の記念講演、JA全中会長の中家徹氏の講話で、地域やJAにおける女性の役割などを学んだ。最後に、女性組織としてJAの自己改革を後押しすることを大会宣言でアピールした。
(写真)ワールドカフェで、一斉に自分のカードか掲げる女性部員たち
大会では、主催者のJA全国女性組織協議会の川井由紀会長があいさつで、いまJAグループが取り組んでいるJA自己改革のなかで開かれる大会の意義を強調。大会スローガンにあるように、「地域をよくしたいという思いを実現するため、JAの自己改革を前に進めるお手伝いをしたい。そのためには協同組合についての理解を深めJAの必要性を一人でも多くの人に伝えよう」と訴え、来賓で出席したJA全中の中家徹会長はJA改革の取り組みを説明し、「JAのみなさんから『JAはよくやっている』という評価をいただき、それによってさらに結集力を高め、改めて本来の協同組合を取り戻し、新たなスタートができるのではないか。女性に見捨てられたJAに未来はない。農業・JAを元気にするのは女性で、運営参画はまだまだだが、少しずつ進んでいる。女性は自己改革の大きな力だ。今まで以上に運営に参加していただきたい」と積極的な参加・参画を呼びかけた。
(写真)JA改革の後押しを呼びかける川井全国女性協会長
その後、JA女性組織活動体験発表の入賞者の表彰・発表を行った。活動体験発表をしたのは全国6ブロックの6人。入賞者は、▽山形県JA山形おきたま白鷹地区女性部の佐藤れい子さん(タイトル「白鷹山から紅花の種蒔いたよ」)、▽長野県JAみなみ信州女性部の瀧口順子さん(同「仲間づくりが元気の源」)▽岐阜県JAひだ女性部の矢嶌生子さん(同「食と農を次世代に」)▽滋賀県JAグリーン近江女性部の松井美子さん(同「地域とともに輝く」)▽高知県JA土佐香美女性部の小松利子さん(同「女性のパワーで地域を変える」)▽佐賀県JAからつ女性部の阿部智恵子さん(同「共同・協同と絆の仲間を求めて」)。 フレミズ作文最優秀賞では、「フレミズ活動〝わたしの一歩〟作文コンクール」で、山形県てんどう女性部フレッシュミズ部会の山崎紀子さんの「フレミズの大冒険~部員一人一人の行動により得られた大成功~」が最優秀賞を受賞し、表彰と発表を行った。
山崎さんのほか、「好奇心から現実へ」で岡山県JAびほく女性部JAびほく北房「Happy mama ほっこり」の池永京子さん、『Take the first Step「最初の一歩を踏み出す」』で宮崎県JA高千穂地区女性部フレッシュミズの佐藤鮎美さんが入賞。このほか、優良賞に宮城県JAあさひなフレッシュミズ会の馬場香織さん、長野県JAみなみ信州フレッシュミズ山本の熊崎道代さん、愛媛県JA愛媛たいき女性部フレッシュミズの島田有理亜さん、長崎県JAごとう女性部フレッシュミズ部会の仁田美鈴さん、鹿児島県JA東部女性部フレッシュミズの下園恵美里さんが、それぞれ入賞した。
(写真)「講話」で女性参画を呼びかけた中家JA全中会長
記念講演では日本総合研究所主席研究員の藻谷浩介氏が「ふみだす勇気 地域の未来をつくろう」で話した。藻谷氏は各県の人口動向のデータを元に、働いている女性や出生率の高い県などを比較し、「島根や山形など、働いている女性が多い県ほど、出生率が高い」、「東京の人口増は高齢者の増加が増えたため」、「人手不足は農村の方が深刻」などと指摘し、「これからの都市は高齢者人口が増えるばかりだが、地方は、もうこれ以上高齢者が増えないため、自治体の財政に余裕ができる」として、将来性のある地方の優位性を強調。そのためには「自分たちの食べるものは自分で確保するべき」であり、「その役割は女性に負うところが大きい」と話した。 2日目は、神奈川県JAあつぎが「みんなが主役 わたしたちのJA自己改革」で寸劇を披露。利益や効率化を優先する社会の問題点や、JAの存在意義などについて話し合い、女性部員がJAの自己改革の後押しする必要性を実感させる内容で、会場の共感を得た。
この後、中家徹・JA全中会長が「講話」で、女性部活動への参加することで「仲間ができることが無形の財産になる。JAの運営に積極的に参加し、女性の視点から提言して欲しい。そのためには参加しやすいムードづくりが重要だ」と、運営参加を呼びかけた。また全員参加でこれからのJAや地域のことを話し合う特別協議(ワールドカフェ)を行い、小グループに分かれて意見交換し、それぞれの思いをカードに書き出した。
最後に大会宣言を採択。「学習・対話・発信を軸に、(1)JAをめぐる情勢を学習し、JAの自己改革をJA女性組織として後押しします、(2)JA自己改革について、役職員との対話をすすめ、よりよい地域社会づくりにつなげます、(3)JA女性組織の活動を通じ、農業の大切さやJAのよさを発信します」と宣言した。
(写真)「女性が元気だと地域が元気」と、女性の奮起を呼びかける藻谷氏
※山崎紀子さんの「崎」は正式には大ではなく、立です。
最新の記事
-
兄姉の仕事だった子守り【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第267回2023年11月30日
-
これまでのIPEFの交渉経過を振り返る【近藤康男・TPPから見える風景】2023年11月30日
-
花市場開設100周年【花づくりの現場から 宇田明】第23回2023年11月30日
-
昔懐かしの"ぱんぱん菓子"で特産物PR JA晴れの国岡山2023年11月30日
-
「運動嫌い」2割以上 小中学生の運動に関する意識調査 JA共済連2023年11月30日
-
豊橋産農産物が大集合「愛知 豊橋どうまいフェア」開催 ドン・キホーテで12月1日から2023年11月30日
-
地域農業の未来設計「第15回やまなし農業・農村シンポジウム」開催 山梨県2023年11月30日
-
ラジコン草刈機カルゾーシリーズにハイスピード4輪モデル「LM550」追加 SUNGA2023年11月30日
-
『イシイのおべんとクンミートボール』50周年記念「イシイの福袋2024」12月1日から予約開始 石井食品2023年11月30日
-
「茨城を食べよう」連携第6弾「お米コッペ いばらキッス&マーガリン」など新発売 フジパン2023年11月30日
-
鳥インフル 米テキサス州、オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2023年11月30日
-
鳥インフル ニューメキシコ州、サウスダコタ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2023年11月30日
-
「フードコツ」プロジェクト「食品ロス削減月間」アクション数が87万件を突破 クラダシ2023年11月30日
-
オリジナル雑煮レシピコンテスト「第2回Z‐1グランプリ」全国の小・中学、高校生から募集2023年11月30日
-
第24回グリーン購入大賞で「大賞・環境大臣賞」をダブル受賞 日本生協連2023年11月30日
-
千葉市と「SDGs推進に向けた包括連携協定」28日に締結 コープみらい2023年11月30日
-
自家受精進化の謎を解明 新たな植物種の交配など栽培植物の育種の応用へ 横浜市立大など研究グループ2023年11月30日
-
愛媛県産ブランド柑きつ「紅まどんな」のパフェ 数量限定で登場 銀座コージーコーナー2023年11月30日
-
バイカル地域での現生人類の拡散時期と要因を解明 森林総合研究所2023年11月30日
-
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン「子どもの食 応援ボックス」に協賛 日本生協連2023年11月30日