JAの活動:農業復興元年
【農業復興元年】軍事最優先の安全保障はナンセンス 農業中心社会への大転換着手を 政治評論家 森田実氏2023年1月11日
「安全保障」をめぐっては、軍事面、経済安全保障、食料安全保障に分けて議論されているが、今、日本の政治では、軍事面が最重要課題として注目されがちだ。半世紀以上にわたって政治の動きを第一線で見続けてきた政治評論家の森田実氏は、こうした動きに強く警鐘を鳴らし、農業中心社会への大転換が必要だと強調する。新年にあたって森田氏に寄稿してもらった。
「遠慮なければ近憂あり」 (孔子)
最大の緊急課題は平和の回復
現在の世界が実現すべき最大の緊急課題は、平和の回復である。今のままの戦争を続けることはきわめて危険である。核戦争の危険があるからである。核戦争は人類を破滅させるであろう。
いま人類が為すべき最も大切な緊急課題は核戦争の危機を除去することである。このための最善の手段は即時停戦である。
しかし、戦争当事者のロシアの指導者もウクライナの指導者も、そしてウクライナを支援している米国の指導者も、即時停戦に反対している。国際世論の大勢も即時停戦論に反対である。米国とウクライナの指導者は、ロシアの指導者のプーチンを滅ぼすことを最優先している。しかし追い込まれ絶望的状況に追いつめられたプーチンが核攻撃に踏み切るおそれがあることは否定できない。この危険を回避するためには、即時停戦こそが最優先されるべきである。バイデン米大統領は即時停戦に努力しなければならない。バイデン大統領が即時停戦論に踏み切れば、停戦は可能であろう。
資本主義は限界 農業中心社会への大転換を
これは、2023年の当面の政治課題である。いまわれわれ人類が直面する課題は、この問題にとどまらない。われわれは、この問題を考察するに当たって、長期的視野に立って考察しなければならない。
長期的にみれば、14世紀から16世紀にかけてヨーロッパを中心に展開されたルネサンスが切り開いた西欧主導の工業を中心とする資本主義が限界に達し、世界全体の根本的な大転換が求められている、ということである。
人類は、自然に勝ち自然を克服するという傲慢な態度を根本から反省し、自然と共存する道に転換しなければならない。具体的にいえば、工業中心社会経済はもはや限界であり、自然と共存する農業中心社会への大転換に着手しなければならないのである。
とくに日本は、工業中心社会から自然と共存するための農業中心社会への大転換が必要である。
軍事力強化の安全保障最優先はナンセンス
いま、日本においては、軍事面での安全保障が最重要課題として議論されているが、これほどナンセンスなことはない。自由民主党の政治家は目を覚まさなければならない。軍事力を強化する安全保障を最優先させることは、日本を滅ぼす道であることを自覚すべきである。強大な軍事大国の中国、ロシア、北朝鮮に対し、武力で対抗することなど、できることではない。日本を守る道は平和外交しかないことに気付かなければならない。
経済界は経済安全保障を求めているが、今までの工業中心の日本経済を工業中心に再建することは、ほとんど不可能である。
日本にいま最も大切なのは、食料の安全保障である。日本はいま深刻な食料危機に直面していることを自覚しなければならない。
日本国民は、食料を日本国内の農業生産によって完全に供給できるための大改革に着手しなければならない。もはや、食料を他国に頼りつづけることは改めなければならない。政府は、食料安全保障最優先政策を選択すべきである。
再び長期視野に立って
日本を自然と共存する農業中心社会に改造するには数百年の時間を要するかもしれない。
しかし、日本は、大胆にこの方向に大転換しなければならない。
日本は明治維新後、欧米社会を模倣して帝国主義の道へ進んだが、大失敗し挫折した。
第2次大戦後は米国に追従してリトルアメリカを目指したが、これも失敗した。日本はいま、米国の植民地のごときあわれな国に転落しつつある。現在、われわれ日本国民が選ぶべきは、100%自給できる自然と共存する農業中心社会への大転換の道である。
われわれ日本国民は、日本の食料自給率が40%以下だという現実を深刻に受け止めなければならない。日本が米国政府のご機嫌を損ねれば米国政府は容赦なく日本を制裁する。食料を止められればどうなるか。破滅する。日本は日本国民の力で生きる道をとらなければならない。
独立国として生きる
2023年の新年にあたり、日本は独立国として、いかに生きるべきかを真剣に考えなければならない。
米国に従属し、ミニアメリカとしての道に進むことは日本民族の破滅に通ずる。この道だけは拒絶しなければならない。
日本国民もすべての人類も、工業中心の資本主義という自然に対して傲慢な生き方を反省し、新たな自然と共存できる社会へ大転換するための新たな21世紀型ルネサンスに着手すべきである。人類には自然と共存して生きる以外の道はないことを自覚すべきである。まず意識の転換から取り掛からなければならない。
重要な記事
最新の記事
-
新米の販売数量 前年比7.5万t減 売れ行き鈍る2025年12月24日 -
「旧姓使用の法制化」が仕掛ける罠【小松泰信・地方の眼力】2025年12月24日 -
28年ぶりに10兆円超 2024年の農業総算出額 米や野菜の価格上昇で2025年12月24日 -
鳥インフルエンザ 京都府で国内9例目2025年12月24日 -
JA香川県 部門間連携でネギ、レタスの生産振興へ2025年12月24日 -
地域全体の活性化を目指す 沖縄で生モズクの取り組みに学ぶ【JA全中教育部・ミライ共創プロジェクト】2025年12月24日 -
産地直送通販サイト「JAタウン」公式アプリダウンロードキャンペーン実施中2025年12月24日 -
焼き芋やスイーツを堪能「三島甘藷祭り」静岡・三島で開催 JAふじ伊豆2025年12月24日 -
愛知県内の全児童養護施設へ新米「あいちのかおり」8トン寄贈 JA愛知信連2025年12月24日 -
花をつくる新メカニズム「フロリゲン・リレー」を発見 横浜市立大など2025年12月24日 -
松岡昌宏が「ミルクランド国王」に就任「北海道 is ミルクランド」発表会 ホクレン2025年12月24日 -
あぐラボ「SusHi Tech Tokyo 2026」アンバサダーに就任2025年12月24日 -
松岡昌宏がミルクランド国王に「北海道isミルクランド」始動 新CMも公開 ホクレン2025年12月24日 -
個人株主向け施設見学会開催 井関農機2025年12月24日 -
農機具更新タイミング分析AI「Metareal AM」プレミアムプランを提供開始 ロゼッタ2025年12月24日 -
鳥インフル 米国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月24日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年12月24日 -
イチゴ生育予測サービス「BerryCast」1月から提供開始 クロロス2025年12月24日 -
福岡県内3店舗目「カインズ 苅田店」2026年春オープン2025年12月24日 -
東京都日の出町と包括連携協定 健康づくり・地域活性化で官民協働 協同乳業2025年12月24日


































