台風被害 降雪前に復旧着手を-自民WTが政府申し入れ2016年10月5日
自民党の平成28年台風農林水産業災害対策WTは9月30日に農林・食料戦略調査会、農林部会とともに8月、9月に襲来した台風による被害対策について政府申し入れ事項を決め、10月4日、野村哲郎同WT座長らが山本農相に申し入れた。
野村WT(ワーキングチーム)座長は、北海道など15か所の現場を見て対策要望をとりまとめたと山本農相に話し「被害のスケールがまったく違った。北海道では心が折れている農家も。11月からは雪との戦いもある。国としても相当の支援を」と訴えた。
吉(※ 土に口)川貴盛農林・食料戦略調査会幹事長は北海道と都府県で復旧のための国費負担基準額の違いを山本農相に指摘した。都府県は1aあたり30万7000円だが、傾斜度で算定するため平地の多い北海道は同6万7000円だという。
「砂利が川から農地に上がってきて土そのものがまったく流されてしまった。この額では農地の復旧はできない」と基準額の引き上げを求めた。
武部新WT事務局長は来年の営農に向け、雪が降る前に農地復旧を求める農家の声が強いことを伝えた。
山本農相は現地視察で農地流出など被害の大きさを認識したとして対策を検討していくとした。
自民WTの申し入れは北海道をはじめとする農林水産被害は、農林漁業者だけでなく消費者や事業者に重大な影響を及ぼしていると指摘して、早期の経営再開に万全を期すよう強く申し入れた。
申し入れ事項は以下のとおり。
(1)農地・農業用施設、共同利用施設、森林関係、漁港施設等の被害に対して、査定前着工制度の関係地方公共団体等への周知、農林水産省職員の現地への派遣による技術的支援等を通じて、災害復旧事業等による早期の復旧を促進すること(農林水産省)
(2)農業共済加入者に対して、損害評価を迅速に行い、共済金支払いを早期に行うこと、また、加工用農産物が、倒伏等により工場に出荷できる品位を満たさないものについて、適切に損害を評価し、共済金の支払いを行うこと(農林水産省)
(3)森林保険、漁業共済、漁船保険の加入者に対して、損害評価を迅速に行い、共済金、保険金の支払いを早期に行うこと(農林水産省)
(4)農作物の被災に伴い必要となる追加防除等々、農業共済の対象外となっている作物の営農継続の円滑化に対し、支援を行うこと、また、強風による被害を受けた果樹の改植に対して支援を行うこと(農林水産省)
(5)農業用ハウス・農業機械等の取得・修繕(撤去を含む)に対して、今回の災害の特例として、助成を行うこと(農林水産省)
(6)被災した乾燥調製施設、集出荷施設、農産物等処理加工施設、木材加工流通施設等の再取得・修繕等に対して支援を行うこと(農林水産省)
(7)被災した酪農・畜産農家に対し、水・粗飼料の確保、畜舎及び関連施設の補改修等の必要な支援を行うこと(農林水産省)
(8)農業者の自力施工による水路等の復旧作業を支援するとともに、災害復旧事業等における被災農業者の就労を促進すること、また、流出した農地の復元や農地の生産力回復のための土づくりに対して支援を行うこと(農林水産省)
(9)鳥獣被害を防止するため、被災した鳥獣害防止柵の復旧への助成を行うこと(農林水産省)
(10)被災した山林の早期復旧及び森林の崩壊に伴う倒木等による下流域への流木被害の軽減にも資する治山事業や森林の管理のための森林整備事業を計画的に推進すること(農林水産省)
(11)被災したサケ・マスのふ化施設や養殖施設等の再開に必要な支援を行うこと(農林水産省)
(12)流木による水産業への影響を最小限に食い止めるように、関係省庁とも連携して適切に対応すること(農林水産省)
(13)農林水産物の物流の円滑化のため、鉄道事業者の復旧に必要な支援を行うとともに、道路の復旧を急ぐこと、また、河川について単なる原形復旧にとどまらず、抜本的な治水対策を講じること(国土交通省)
(14)被災した農業用ハウス、流木などの農林水産関係の災害廃棄物が速やかに処理されるように、市町村が実施する災害廃棄物処理事業に対して支援を行うこと(環境省)
(15)関係地方公共団体における対応等の実情を十分に踏まえ、地方公共団体の財政運営に支障が生じることのないように、国が行う対策の内容に応じ、地方財政措置で適切に対応すること(総務省)
(写真)右から山本有三農相に申し入れる野村哲郎氏、吉川貴盛氏、武部新氏。
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