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調整金 国産米価格への影響確認できず-農水省2016年10月11日

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 農林水産省はSBS(売買同時契約)方式による輸入米の取引について、業者間で調整金などの名目で金銭のやりとりがあり、公表されている価格より安く販売され国産米価格の引き下げ要因となっているのではないかと報道された問題の調査結果を10月7日、公表した。調査の結果、民間事業者間の金銭のやり取りがあった事例を確認することはできたが、それが国産米の需給と価格に影響を与えていることを示す「事実は確認できなかった」と結論づけた。

輸入米に関する調査結果について SBS輸入米は、「政府に米を販売する輸入業者」と「政府から米を購入する国内の買受業者」とがペアで政府の入札に参加し、政府の売渡価格と買入価格の差(マークアップ)の大きいものから落札している。
 今回報道された問題は政府に米を販売した輸入業者がペアを組んだ国内の買受業者に調整金などの名目で金銭にやり取りがあってそれが慣習となっているのではないかという点だ。国内の買受業者は政府から落札した輸入米を購入するが、それとは別にペアを組んでいる輸入業者から金銭を受け取っているなら、買入価格よりも安く販売しても利益が確保できることも考えられるから、結局、SBS輸入米が国産米価格の引き下げにつながっているのではないかという不信を生んだ。
 農林水産省は実態を調査するため、公文書の保存期間である直近5年間のSBS米落札業者(買入業者113者、輸入業者26者)などを対象に電話・面談でヒアリングを行った。
 調査によると23年度以降のすべてのSBS契約1794件は落札結果どおりに契約が締結・履行されていたという。
 輸入業者との金銭のやりとりの有無については買入業者113者のうち、「現在もある」が11者、「過去あったが現在はない」が31者、「これまでにない」が61者だった。無回答が10者だった。現在はないが過去に金銭のやりとりがあった業者を含めると金銭のやりとりをした買入業者は42者と4割近くになる。
 一方、輸入業者26者にうち「現在もある」が10者、「過去はあったが現在はない」が9者。「これまでにない」は7者で、過去にはやりとりがあったとする業者も含めると7割以上の19業者に金銭のやりとりがあったことになる。
 金銭の名称については調整金のほか、販売促進費、販売奨励金、販売協力費などと呼ばれており、税務上適切に処理していると回答した。
 米卸など買受業者が受け取った金銭の活用方法は▽プールした上で他の米も含めて保管や加工などさまざまな経費に活用(回答業者数21)、▽入札後に国産米価格の低下等が生じた場合の調整財源に活用(11)、▽その他(3)、▽無回答(7)だった。
 回答は、米全体の保管経費などに当てているほか、国産米相場が下落した場合の差損に当てているというものだった。
 輸入業者が買入業者と金銭のやり取りをした理由は▽入札後の調達コストの変化に伴う調整のため(8)、▽長年の付き合いの顧客対応や取扱数量を増やす販売促進のため(5)、▽SBS米の落札を確実にするため(6)だった。
 入札後の調達コストの変化とは、SBS米の落札後に輸入業者が輸出国の輸出業者と調整し現物を調達するが、仕入額は落札額どおりではなく上下するため、これを調整する必要があるからだという。したがって、仕入額が上昇した場合は買受業者のほうが輸入業者に支払うこともある。
 問題は卸業者など買受業者のSBS米販売価格の決定要因は何かだが、回答は▽SBS米を販売する際の国産米価格の水準が42者中31者ともっとも多く、▽SBS米の販売・在庫状況(1)、▽その他(4)、▽無回答(6)だった。
 あくまで国産米価格の水準でSBS米の販売価格を決めるというものだ。 農水省は米卸業界上位5者のうち、SBS米の取扱実績のある4者からの聞き取り結果を公表した。
 国産米の販売価格形成については「国産米の価格は作柄、在庫状況、需要動向を含めた全体の需給状況によって決まる」として、「SBS米の価格動向が国産米へ影響することはない」、「国産米の取引価格がSBSの販売価格形成に影響するが、その逆は考えられない」、「国産米の価格は基本的に需給状況によって決まるものであり、10万t程度のSBS米価格で影響を受けることはない」などと国産米価格への影響を一様に否定した。 金銭のやり取りのあった事例も公表された。たとえば、A社は米国産うるち精米短粒種260tを政府から1kg230円の買受単価で購入した。
 同時に輸入業者から1kg19.5円の調整金が支払われた。
 しかし、国産米とブレンドし業務用として1kg250円で販売したという。そのときの業務用の国産ブレンド米価格は1kg261円でSBS米とのブレンド米は国産米相場をふまえたものと主張する。 また、農水省はSBS入札が行われた後の国産米全銘柄平均価格を調査した結果も公表した。そこではSBS入札の前後で国産米の価格はほとんど変動していない。ただし、これは全銘柄平均価格であって、SBS米と競合する業務用銘柄の価格動向は明らかではない。 また、今回の調査ではSBS米の販売価格の実例は図に示した2例のみ示しただけで実際の販売価格については「商売の機微に触れること」(農水省)として調査はしていない。
 農水省は民間同士の取引に対する任意の調査であり限界があるとして、面談等の結果から「SBS米の国内市場における価格水準が国産米の需給及び価格に影響を与えていることを示す事実は確認できなかった」と結論づけた。
 また、今後のSBS契約では、輸入業者と買受業者との間で金銭のやり取りを禁止することにした。
 TPP協定によるSBSの米国・豪州枠の新設について、政府は輸入量に相当する国産米を備蓄米として買い入れることから国産米に影響しないと説明してきている。
 ただし、岩手県をはじめとしていくつかの県は県産米への影響はあるとして独自に試算を発表している。それはまさに業務用米として販売されることが多い銘柄を生産しているからであり、TPPによって価格の安いSBS米がさらに増えることを懸念してのことだ。 今回の調査結果では米の生産現場は納得がいくものではない。さらなる調査が必要だ。

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