担い手への農地集積 伸び鈍化-農地中間管理機構 29年度実績2018年6月1日
農林水産省は6月1日、平成29年度の担い手への農地集積面積と農地中間管理機構の事業実績を公表した。担い手への農地集積は55.2%で、前年から1.2%増と伸び率は鈍化した。農林水産省は平成35年に担い手への農地集積を8割とすることを目標としているが、「さらなる加速化が必要」としている。(※写真はイメージ)
担い手への農地集積は29年度に4.1万ha増加しシェアは55.2%となった。前年とくらべて1.2%の増加にとどまった。
農地を借りて担い手に転貸する農地中間管理機構を都道府県に設立して活動を開始したのは26年度。集積率は26年度→27年度で2%、27年度→28年度で1.7%だった。
4.1万haのうち農地中間管理機構による転貸は1.7万ha(28年度実績=1.9万ha)JAの農地集積円滑化事業などその他の取り組みによる転貸が2.4万ha(同=4.3万haとなっており、いずれの転貸も前年より少ない。
29年度の全耕地面積は444万4000ha。年間集積目標面積は14万9210haで目標達成率は12%にとどまっている。
農地集積をさらに加速させるため農林水産省は昨年度に改正された土地改良法で農家負担のない農地整備事業を活用したり、今国会で農業経営基盤強化法の改正で措置された所有者不明農地対策などの活用も進めるとしている。
ただ、農地集積を進めるには地域全体の営農ビジョンをどう描き、だれが担い手となっていくかが重要でそのための話し合いが大切になる。
農水省が担い手に対して行ったアンケートによると、担い手以外の農家に農地を貸す中間管理機構の仕組みが認知されているかを聞いたところ、「ほとんど認知されていない」が52%だが、「ある程度認知されているがまだPRが必要」が40%となっており、機構の仕組みは「認知されつつある」としている。
一方、地域の話し合いの実態は「多くの地域で定期的に行われ農地流動化に結びついている」はわずか9%。話し合いは「どの地域でも定期的に行われていない」が56%と多い。地域農業の将来をどう描き、どんな産地をめざすか、その取り組みを支える関係機関のサポートも重要になる。
(関連記事)
・【インタビュー・吉川はじめ社民党幹事長 】若者が定着できる農業政策を(18.05.29)
・地域農業情報をネットで公開 農研機構(18.05.18)
・営農管理システム「Z-GIS」が運用開始 JA全農(18.04.24)
・「農業白書」 国民への発信が課題-審議会で意見(18.04.18)
・集落営農の法人割合 2.8ポイント上昇-農水省(18.03.29)
・国民の食料つくる誇りをバネに【染谷茂・柏染谷農場代表】(18.02.21)
重要な記事
最新の記事
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日
-
農家向け生成AI活用支援サービス「農業AI顧問」提供開始 農情人2025年9月18日
-
段ボール、堆肥、苗で不耕起栽培「ノーディグ菜園」を普及 日本ノーディグ協会2025年9月18日