GMトウモロコシの発ガン性でセラリーニ論文を改めて否定 EUのG-TwYST2019年10月25日
遺伝子組換え(GM)作物の発がん性を指摘するフランス、カーン大学のセラリーニ教授らが行った動物試験について、EUの「G-TwYST」(EUから資金援助を受けたプロジェクトで、遺伝子組み換え植物の2年間安全試験)が行った大規模な検証試験の結果が今年2月に発表され、セラリーニ論文の妥当性が改めて否定された。遺伝子組換え技術などバイオテクノロジーに関して事実に基づく科学的な情報を提供するバイテク情報普及会が発信した。
2012年に発表されたセラリーニ教授らによる遺伝子組換えトウモロコシに関する動物試験の結果は、GM投与群での寿命の短縮、腫瘍(がん)発生率の増加、腎臓への悪影響などを指摘した。
その直後から、日本の食品安全委員会(FSC)やEUの欧州食品安全委員会(EFSA)をはじめ、ドイツ、フランス、オーストラリア、カナダなど世界中の公的な安全性審査機関、毒性学の専門家により、科学的な見地から否定され、掲載されたジャーナルから論文は撤回された。
しかし、「試験を否定するなら同じ条件で追試すべきだ」との意見も多く、セラリーニ教授らの試験と同じ2年間となる2012年から2018 年にかけて、同試験の検証のために公的資金による透明性の高いプロセスのもと、大規模な追試が複数行われた。
中でも、今年2月に発表された「G-TwYST」(2014年4月~2018年4月)では、同試験で使われたものと同様の遺伝子組換え作物を用い、OECD(経済協力開発機構)や EFSAの定める試験手法に沿って、同じ2年間にわたる安全性試験を行った。
「G-TwYST」ではセラリーニ教授らの試験で指摘されていた「試験に用いられたラットはそもそも腫瘍が非常に発生しやすい系統である」などの試験手法の問題点を解消した手法で実施。その結果、健康へのリスクは認められなかった。
セラリーニ教授らの試験論文の撤回については「産業界の圧力に応じた」といった主張もあるが、バイテク情報普及会は「そのような事実は無く、科学的検証によってその妥当性が否定され、公的な追試によっても反証済みであることを情報提供する」としている。
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】ダイズ、野菜類、花き類にハスモンヨトウ 県内全域で多発のおそれ 滋賀県2025年9月19日
-
(453)「闇」の復権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年9月19日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(1)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(2)2025年9月18日
-
【座談会・どうするJAの担い手づくり】JA鳥取中央会・栗原隆政会長、JAみえきた・生川秀治組合長(3)2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(3)病気や環境幅広く クリニック西日本分室 小川哲郎さん2025年9月18日
-
【全中・経営ビジョンセミナー】伝統産業「熊野筆」と広島県信用組合に学ぶ 協同組織と地域金融機関の連携2025年9月18日
-
【石破首相退陣に思う】米増産は評価 国のテコ入れで農業守れ 参政党代表 神谷宗幣参議院議員2025年9月18日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】協同組合は生産者と消費者と国民全体を守る~農協人は原点に立ち返って踏ん張ろう2025年9月18日
-
「ひとめぼれ」3万1000円に 全農みやぎが追加払い オファーに応え集荷するため2025年9月18日
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
石川佳純の卓球教室「47都道府県サンクスツアー」三重県で開催 JA全農2025年9月18日
-
秋の交通安全キャンペーンを開始 FANTASTICS 八木勇征さん主演の新CM放映 特設サイトも公開 JA共済連2025年9月18日
-
西郷倉庫で25年産米入庫始まる JA鶴岡2025年9月18日
-
「いざ土づくり!美味しい富山を届けよう!」秋の土づくり運動を推進 富山県JAグループ2025年9月18日
-
日本初・民間主導の再突入衛星「あおば」打ち上げ事業を支援 JA三井リース2025年9月18日
-
ドトールコーヒー監修アイスバー「ドトール キャラメルカフェラテ」新発売 協同乳業2025年9月18日
-
「らくのうプチマルシェ」28日に新宿で開催 全酪連2025年9月18日
-
埼玉県「スマート農業技術実演・展示会」参加者を募集2025年9月18日
-
「AGRI WEEK in F VILLAGE 2025」に協賛 食と農業を学ぶ秋の祭典 クボタ2025年9月18日