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アフリカ・中東などで食料巡り暴動も 政府、食料安保強化へ2020年6月29日

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政府は6月26日に農林水産業・地域の活力創造本部を開き、今後の農林水産政策の展開方向についてわが国の食料安全保障を強化していく方針を決めた。加工食品や外食・中食向けの原料の国産への切り替えや、麦・大豆の増産など国内生産基盤を強化に向けた対策を検討していく。

食料安全保障を強化

新たなリスクが発生

新型コロナウイルスによる影響が広がるなか、現時点で国内の食料供給に大きな問題は発生していない。しかし、国際的には一部の食料輸出国が穀物などの輸出規制を行っている。

農林水産省によると、小麦の主要輸出国であるロシアやウクライナなどで小麦など穀物の輸出を制限している。これまでに19か国が輸出規制を実施し、現在も13か国が継続している。小麦の輸出規制を実施しているロシア、ウクライナからわが国は輸入をしていないが、2か国で世界の輸出量の約3割を占める。

また、一部の国ではロックダウンの影響などで食料が不足し市民による暴動が発生している。南アフリカではロックダウンにより貧困層に政府からの食料支援が届かず、商店での略奪やバリケードによる妨害などが発生している。アフガニスタンでは支援が不平等だと不満を持つ人々が抗議し警察と衝突、死者が出ている。ベネズエラでは15州で500件の暴動が発生し市場や商店での略奪も発生している。

日本では新型コロナウイルス感染症の発生初期には玉ねぎなどの農産物で一時的に輸入が途絶え、米やパスタなど一部の食品で消費者による買い増し、買いだめが発生したことにより量販店で品切れが発生した。その後はメーカーなどが増産努力をして品切れは徐々に解消され、現時点で大きな問題は発生していない。しかし、世界的には新型コロナウイルス感染症の長期化による生産・流通への影響や、アフリカ豚熱の多発、サバクトビバッタ被害など、わが国の食料供給を脅かす新たなリスクが発生している。

感染長期化の影響で、北米やEUで季節労働者が不足、収穫や作付けが停滞することが懸念されているほか、船員やトラックドライバーの確保困難から物流が混乱する恐れも指摘されている。OECDリポートでは、航空便の減少による種子の流通や、農薬生産工場の閉鎖など農業資材の生産・流通にも悪影響を与える可能性を指摘している。

サバクトビバッタはアフリカで大量発生し、中東、パキスタン、インドなどにも穀物被害が広がっている。密集するとあらゆる食料を食い散らし、1日の移動距離は100kmを超えるという。2003年から05年にかけて発生したときには西アフリカ6か国で800万人以上が食料危機に陥った。

有効なワクチンがないアフリカ豚熱は64か国で発生、とくに中国では減産によって食肉輸入が急増し、国際需給にも影響を与えている。

 
生産継続を支援

このように国際的には食料供給のリスクは高まっており、政府は「国民への食料の安定供給に万全を期すことが必要」との方針をこの日の本部会合で打ち出した。安倍首相は「食料は国民生活に一日たりとも欠かせないもの。食料を安定的に国民に供給することは政府が果たすべきもっとも重要な責務」と述べ、食料安全保障の強化を図るための政策の見直しを精力的に見直すよう指示した。

農林水産省は今後の検討が必要な事項として加工食品や外食・中食向け原料の国産への切り替えや、麦・大豆の増産、さらに「輸出拡大による生産余力の向上」も挙げている。また、産地と食品産業の連携・協業、アフターコロナの生活様式に対応した事業転換、物流拠点の整備などフードサプライチェーンの強化も重視する。

そのほか輸入の多角化、海外も含めた穀物備蓄の増強など輸入食料の安定的確保、スマート農業技術の実装など国内での技術基盤の確保、さらに国民理解の醸成も必要だとしている。

とくに農産物は生産に必要な期間が長く、それに対して収穫適期が短いため、今回の新型コロナウイルスのような需要の急変に対応することは困難だ。需要の急減を理由に生産を止めてしまえば、将来的な食料供給に支障が出る可能性があることから、農林水産省は生産をとめないための施策を講じていくことが必要だとしている。

今回は緊急経済対策として労働力の確保のために宿泊・観光業の人材と農業者、農業団体とのマッチングや農業以外の技能実習生の農業就業などを促進しているほか、牛肉、花、果物などコロナ禍で販売不振となった品目について、農林漁業団体による学校給食への提供や、ネット販売の促進を行っている。今後は令和12年度にカロリーベース自給率を45%に引き上げることや、輸出目標を5兆円とするなどの基本計画の実現に向けた実践が求められる。

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