新規就農 49歳以下 前年比3.9%減-農水省2021年5月6日
農林水産省は4月30日、2019(令和元)年の新規就農者調査結果を公表した。新規就農者全体は5万5870人で前年にくらべて0.1%増加したが、49歳以下は3.9%減少した。
就農形態別にみると、新規自営農業就農者は4万2740人で前年並みだった。このうち49歳以下は9180人で前年にくらべて7.0%減少した。
新規雇用就農者数は9940人で同1.2%増加した。このうち49歳以下は7090人で0.4%増加した。
新規参入者は3200人で1.2%減少した。このうち49歳以下は2270人で同3.8%減少した。新規参入者の部門では露地野菜作が960人ともっとも多く、ついで施設野菜作640人、果樹作620人だった。
49歳以下の新規就農者数は2014(平成26)年から4年連続で2万人を超えたが、2018(平成30)年に1万9300人へと減少し、2019年はさらに減少したことになる。
49歳以下の新規就農者は次世代を担う農業者であるとして国は、就農希望者、新規就農者に農業次世代人材投資資金(旧青年就農給付金)で支援している。
この制度では、都府県の農業大学校などで研修を受ける就農希望者に最長2年間、年間最大150万円を交付する仕組み(準備型)と、農業経営を始めてから経営が安定するまでの最長5年間のうち、1~3年目は年間150万円、4~5年目は年間120万円を定額交付する仕組み(経営開始型)で新規就農を支援している。
「準備型」の2019年度交付実績は1756人。30代が33%と最も多く、次いで10代(29%)、20代(22%)、40代(15%)。男性83%、女性17%で非農家出身が64%を占めている。
研修を受けている機関は農業大学校などの教育機関が51%、先進農家や農業生産法人が22%で、市町村や公社などが27%となっている。
また、「経営開始型」の交付実績は1万753人。30代が47%ともっとも多く、次いで40代(34%)、20代(19%)となっている。男性81%、女性19%で非農家出身が57%となっている。また、夫婦共同経営は21%となっている。
営農類型別では、施設野菜が29%ともっとも多く、露地野菜28%、果樹15%の順となっている。水稲・麦類は3%、畜産は5%となっている。
基本計画では2030(令和12)年に49歳以下の農業就業者数を37万人とすることを目標としている。これに対し2020年農林業センサスの結果では49歳以下は22万7000人で2015年からの5年間で8.5万人減少しており、新規就農しても農業を継続し定着することが難しいことも浮き彫りになった。
このため農水省は新規就農者の確保と定着は「まったなしの課題」だとして農水省は5月中旬に「新規就農にかかる検討会(仮称)」を立ち上げ、幅広く関係者からヒアリングを行い、新規就農者の確保に向け対策に抜本的なてこ入れを図る考えだ。
【新規自営農業就農者】
家族経営体の世帯員で調査期日前1年間の生活のおもな状態が「学生」から「自営農業への従事が主」になった者及び「他に雇われて勤務が主」から「自営農業への従事が主」になった者。
【新規雇用就農者】
調査期日前1年間に新たに法人等に常雇い(年間7か月以上)として雇用されることにより、農業に従事することとなった者。
【新規参入者】
土地や資金を独自に調達し調査期日前1年間に新たに農業経営を開始した経営の責任者及び共同経営者。
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