豚熱ウイルス 人が拡散か 感染源500km先 農研機構2022年5月17日
農研機構は5月16日、今年3月に山口県内で陽性と確認された野生イノシシ由来の豚熱ウイルスが紀伊半島東部で確認されたウイルスともっとも近縁であることを確認した。
3月に豚熱に感染した野生イノシシが確認されたが、周辺では陽性例が確認されておらず、感染源が注目されていた。
農研機構は山口県で見つかったイノシシから得られたウイルスの遺伝子を過去に国内で確認されたイノシシ由来のウイルスと比較した結果、兵庫県など山口県に比較的近い場所で見つかっていたウイルス由来ではなく、昨年5月に山口県から約500km離れた紀伊半島東部の三重県内で捕獲された感染イノシシに由来するウイルスともっとも近縁であることが分かった。
わが国では2018年9月に岐阜県で26年ぶりに豚熱の発生が確認されて以来、野生イノシシでも感染が確認され、イノシシの感染が確認された地点の近隣の農場で発生が続いている。
ただ、今回明らかになった事例のように感染源が500km離れた感染は、感染イノシシから近隣のイノシシへの感染や、感染イノシシの移動のみで起こったとは考えにくいとして、農研機構は「何らかの人の活動を介して起こった可能性が考えられる」としている。
現在まで九州での野生イノシシの感染は確認されていないが、九州にも多くのイノシシが生息しており、農研機構は「万一、ウイルスが侵入すれば容易に感染が拡大することが懸念される」と警鐘を鳴らし、野生イノシシのサーベイランスを適切に実施し、状況を正確に把握することが重要だとしている。
農水省は山林に立ち入る人に対して、養豚場などに立ち入らないことや、下山時や帰宅時の洗浄や消毒などについて都道府県と連携してポスターなどで注意を喚起していく。
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