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農政:2020年を振り返って

コロナ禍で食と都市農業を見直す 須藤正敏氏 元JA全中副会長【特集:2020年を振り返って】2020年12月14日

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JA東京むさし組合長、JA東京中央会会長などを歴任し、全中の副会長を最後に全てのJA役職を降り、東京都三鷹市で一組合員・一農業者として、農作業にいそしむ須藤正敏氏に、農業の現場から、新型コロナウイルスに翻弄された2020年を振り返ってもらった。同氏はコロナ禍を契機に、国民の食料の安定確保の重要さを説き、そのなかで消費者・国民の理解を得るため、特に都市の農地を守ることの大切さを訴え、その役割をJAに求める。

オリーブを管理する須藤氏オリーブを管理する須藤氏

販売の重要さを認識

――新型コロナウイルスは地域でどのような影響がありましたか。

コロナウイルスの影響で、毎年11月2日の「都市農業の日」に東京・明治神宮で開かれている東京都農業祭が中止になり、立川市の東京都農林総合研究センターで、東京都内の生産者だけによる農産物品評会を開きました。それでも出品数は例年並みでした。都市化したとはいえ、まだまだ野菜作りに情熱をかける農家の思いを感じました。
JA東京むさし管内の農家のほとんどは、5カ所にある農協の直売所に出荷しています。コロナウイルスで外食が自粛され、販売が難しくなりましたが、JAの販売担当者がJAの直売所や、取引のあるスーパーなどに当たり、何とかさばきました。もう一つは学校が休みになって学校給食用の農産物が出荷できなくなりましたが、やはりJAの直売所やインショップにお願いして乗り越えることができました。
3月下旬~4月上旬は夏野菜の植え付け時期ですが、JAの緑化センターでは、普段は来ない人も苗を求め、お客さんが列をつくるくらいでした。直売所が見直されたということです。外出の自粛で在宅が多くなり、改めて自分で野菜を作ってみようという人が増えたのだと思います。
直売所の人気は、それだけ、地元の野菜を求めるお客さんがいたということです。やはり近くで生産され、誰が作っているかが分かることが、一番安心できます。JAにとっては、事業の見直しにつながったのではないでしょうか。
本来、組合員の所得を上げるのは販売事業のはずです。コロナ禍で、そのことを改めて考えさせられました。

神社の杜が遊び場に

もう一つ気づかされたのは、地域の神社の役割です。緊急事態宣言で学校が休みになって、意外だったのは、神社の境内で、縄跳びや鬼ごっこなどで遊ぶ子どもたちが増えたことです。住宅化で空き地がなくなりました。学校が休みになるとこういうことが起こるんだなと思いましたが、家が狭く、暑いので、木陰の多い神社の境内はかっこうの遊び場になっていました。思わぬところで神社と神社の杜(もり)の価値を認識しましたね。
 
都市農業見直し進む
 
――都市農業振興基本法ができて5年経ちました。都市農業の存在が一定の評価を受けたわけですが、都市における農業の役割をどのように考えますか。

都市農家は、税法上、農地があっても後継者がいなくて農業を継続できなくなることが一番の問題です。2年前、都市農地貸借法ができ、市街化区域内の農地のうち、生産緑地の貸借が安心して行える新たな仕組みがスタートしました。JAが間に入って、農地の貸し借りができるようになり、自治体が市民農園を運営したり、後継者に貸したりできます。
三鷹市では市と農業者が三鷹ファームという株式会社をつくっています。その会社が農地を借りて作った小麦で、学校給食のパンを作っています。夏にはヒマワリ、ジャガイモなどを植え、野菜作りの体験農園の運営も行っています。
生産緑地指定が期限切れとなる「2022年問題」を控えていますが、一定の条件を満たす農家が申請すれば、さらに10年間、特定生産緑地として延長できるようになりました。またそこで新規就農者もできるようになり、農地の活用方法が広がったことは評価できると思います。

――都市農業の路線はできたということでしょうか。

東京の農業は兼業農家がほとんどです。しかし、専従的に農業に従事している人は多く、収入の大半は賃貸アパートや貸し店舗などの不動産で得ています。一方で、住宅が求めている人のニーズに合わせて、アパートの建て替えも必要です。都心に近いことを考えても、農業プラス不動産経営が求められています。
従って、固定資産税や相続税の支払いで不動産を処分することになると、農地も都市農業も守れないことになります。東京都かには約6000ヘクタールの農地があり、うち市街化区域内農地は約4000ヘクタールあります。毎年100ヘクタールほどのペースで減っており、この農地を残す必要があることを強く訴えたい。

農地守る不動産管理

――高い相続税が都市農業の大きなネックになっているようですが。

相続税のために土地を売らざるをえない実情があります。自分の代は何とかなっても、死んで多額の相続税が発生すると都市農業を続けることは困難になります。
そのなかで都市型JAは、不動産の管理に農業指導と同じくらい力を入れる必要があります。コロナ禍のいま、相続が発生すると大変です。住宅需要の低下で、ディベロッパーの動きが鈍く、希望価格で売れないのが実情です。

――コロナ対策でJAがやるべきことは。

直売所の販売でも述べましたが、農家が安心して営農できるように、最終消費まで責任を持つことではないでしょうか。またIT(情報技術)など新しい技術を駆使して、スマート農業も取り入れることです。コロナ対策を含め、さまざまな公的な助成措置があります。その情報をつかみ、活用するよう指導するのがJAの役割です。
東京では、庭先販売の農家が多くあります。利用者のための自動販売機やハウスの新設、施設など、特に都市農業ならではの必要な機器・設備があります。いま東京の農家で人気は施設トマトやかんきつ類です。その加工施設の購入など、JAの決め細かい支援が求められています。

農業の大切さ世論に
 
―――政府の農協改革について、来年4月以降の准組合員問題がありますが。

准組合員の問題がどうなるか分かりませんが、大事なことは農業の大切さを知ってもらう世論づくりだと思います。新型コロナの時、輸入頼みのマスクが不足し、あれだけ大騒ぎになって、これが食料だったらどうなったのでしょうか。
世界では10億人が安定して食料を確保できない現実があります。日本の自給率も下がる一方です。いまこそ世論づくりの取り組みが農業団体に求められています。また当事者である我々生産者の役割でもあります。
かつて市街地の農地を守ることは「農家のエゴ」と言われましたが、いまは農地を守ることに理解を示しています。これまで40~50年、農地、農業の必要性、多面的機能を訴え、新鮮で安全。安心な農産物を供給してきたことが、こうした理解につながったのだと思います。さらに上昇気流に乗せる機運をつくっていかなければなりません。

180年前の疱瘡避けを記録した石碑180年前の疱瘡避けを記録した石碑

国民の安心が第一

私は今、地域の氏神様である天神社の会長をやっていますが、そこに、疱瘡(ほうそう)避けの小さな祠があり、15年前の建て替えの時、石碑が見つかりました。それによると1836年(天保6年)、疱瘡(ほうそう)が流行(はや)ったと記してあります。当時は医師もおらず、疫病にかからないようにするのは文字通り神頼みだったのですが、180年前に、そういうピンチの時があって、100年前のスペイン風邪、そして今のコロナウイルスです。
今後も疫病に見舞われないという保証はありません。利益を求めるだけでなく、国民が安心して生きていけるように、食料をしっかり賄える社会をつくらなければならないと思います。

――これからのJAが取り組むべき課題として何が重要でしょうか。

協同組合は教育に始まり教育に終わると言われます。株式会社と違い、自分たちでつくった組織です。しっかり活用して、自分の生活確立。損得でなく、守り続けることが大事です。
銀行と比較し、金利引き下げを求める組合員もいますが、「自分たちの農協なのだから」と説得してきました。金利を下げてJAの経営が成り立たなくなったら、農家の経営もだめになります。自分たちの組織を守り続けることが大事です。そのことは組合員教育で分かっていただかねばなりません。

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