除草剤がイトトンボ幼虫の個体数を減少させることを実証 近畿大学2019年7月29日
近畿大学農学部の研究グループは、佐賀大学、シドニー大学、国立環境研究所と共同で、水田の生態系で除草剤散布による水草の減少が、トンボなど捕食性昆虫の個体数に間接的に影響を与えることを実証。イトトンボ類の幼虫など捕食性昆虫は、水底・水面で生活する捕食性昆虫より除草剤の影響を受けやすいことを発見した。生物のライフサイクルに注目することで、農薬リスクを高精度で予測し、より良い使用方法の選択が可能になる。
今回の研究では、昆虫には直接毒性のない農薬である除草剤が、水草の減少を介してトンボを始めとする捕食性昆虫に与える影響を検証する実験を行った。
その結果、除草剤の散布によって水草が減少することで、イトトンボ類の幼虫など水草につかまって生活する種の個体数が減少。一方、水底や水面上で生活する種は減少しないか、むしろ増加する傾向にあることが明らかになった。これにより、除草剤の散布が捕食性昆虫に与える影響は、捕食者の生活圏によって変化することが実証された。
水草と捕食性昆虫との関係をあらわす"生物間相互作用"を介した農薬の間接的な影響が、どのような要因によって左右されるかを解明した例は世界的にも珍しい。今後、研究の蓄積により、自然界の生物に対する農薬のリスクがより高い精度で予測可能になることが期待される。
この研究に関する論文は7月24日、アメリカの応用生態学専門誌「Ecological Applications」オンライン版に掲載された。
重要な記事
最新の記事
-
アケビの皮・間引き野菜・オカヒジキ【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第356回2025年9月18日
-
【JA全農の若い力】家畜衛生研究所(2)病理検査で家畜を守る 研究開発室 中村素直さん2025年9月17日
-
9月最需要期の生乳需給 北海道増産で混乱回避2025年9月17日
-
営農指導員 経営分析でスキルアップ JA上伊那【JA営農・経済フォーラム】(2)2025年9月17日
-
能登に一度は行きまっし 【小松泰信・地方の眼力】2025年9月17日
-
【石破首相退陣に思う】しがらみ断ち切るには野党と協力を 日本維新の会 池畑浩太朗衆議院議員2025年9月17日
-
米価 5kg4000円台に 13週ぶり2025年9月17日
-
飼料用米、WCS用稲、飼料作物の生産・利用に関するアンケート実施 農水省2025年9月17日
-
「第11回全国小学生一輪車大会」に協賛「ニッポンの食」で応援 JA全農2025年9月17日
-
みやぎの新米販売開始セレモニー プレゼントキャンペーンも実施 JA全農みやぎ2025年9月17日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」ダイニング札幌ステラプレイスで北海道産食材の料理を堪能 JAタウン2025年9月17日
-
JAグループ「実りの秋!国消国産 JA直売所キャンペーン2025」10月スタート2025年9月17日
-
【消費者の目・花ちゃん】スマホ置く余裕を2025年9月17日
-
日越農業協力対話官民フォーラムに参加 農業環境研究所と覚書を締結 Green Carbon2025年9月17日
-
安全性検査クリアの農業機械 1機種8型式を公表 農研機構2025年9月17日
-
生乳によるまろやかな味わい「農協 生乳たっぷり」コーヒーミルクといちごミルク新発売 協同乳業2025年9月17日
-
【役員人事】マルトモ(10月1日付)2025年9月17日
-
無人自動運転コンバイン、農業食料工学会「開発特別賞」を受賞 クボタ2025年9月17日
-
厄介な雑草に対処 栽培アシストAIに「雑草画像診断」追加 AgriweB2025年9月17日
-
「果房 メロンとロマン」秋の新作パフェ&デリパフェが登場 青森県つがる市2025年9月17日