農薬:防除学習帖
みどり戦略に対応した防除戦略(30)【防除学習帖】 第236回2024年2月10日
令和3年5月に公表され、農業界に衝撃を与えた「みどりの食料システム戦略」。防除学習帖では、そこに示された減化学農薬に関するKPIをただ単にKPIをクリアするのではなく、できるだけ作物の収量・品質を落とさない防除を実現した上で、みどりの食料システム法のKPIをクリアできる方法がないかを探ろうとしている。
現在、散布回数の多い果樹を検討するためナシを題材に検討を進めている。果樹も水稲と同様に防除暦が整っている作物ではあるが、暦の内容が地域によって異なるため、一律的なリスク低減方策を示しにくい作物であることから、栽培ステージごとに一般的なリスク換算量低減方法の検討を試みようとしている。
今回は、新梢発育停止期~梅雨明け期の害虫防除について検証してみる。
1.新梢発育停止期~梅雨明け期の害虫防除
この時期に発生する主な害虫は、シンクイムシ類、ハマキムシ類に加え、梅雨明けと同時にハダニ類の発生が多くなる。特にハダニは増殖が速いので、発生状況に応じて早め早めの防除を心がける。
2.新梢発育停止期~梅雨明け期の害虫防除の実際
以下にモデル防除暦を示した。基本的に系統の異なる殺虫剤ローテーションで使用する。
3.リスク換算量削減方策
この時期は、葉の活性を維持できるように葉を加害するハマキムシ類やハダニ類の防除に注意するとともに、シンクイムシ類が果実に侵入しないように予防線を張ることが重要である。これらの害虫の発生状況に十分に注意を払いながら、暦どおりに確実な防除を実施してほしい。
その上で、あえてリスク換算量を減らすなら、他の時期と同様に次のような方法が考えられる。
① 作用性の異なる薬剤の中からリスク換算量の少ないものを選んでローテーションで使用する。
② 希釈倍数が複数ある場合は薄い方でも十分に効果があると判断される場合に限り選択する。
③ 1剤で複数の害虫に効果のある薬剤を基本防除に組み入れる。
重要な記事
最新の記事
-
(394)Climate stripes(気候ストライプ)【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年7月26日
-
地域医療の実態 診療報酬に反映を JA全厚連が決議2024年7月26日
-
取扱高 過去最高の930億円 日本文化厚生連決算2024年7月26日
-
【人事異動】JA全厚生連 新理事長に歸山好尚氏(7月25日)2024年7月26日
-
【警報】果樹全般に果樹カメムシ類 県下全域で最大限の警戒を 鳥取県2024年7月26日
-
【注意報】イネに斑点米カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 山形県2024年7月26日
-
今が旬の「夏酒」日本の酒情報館で提案 日本酒造組合中央会2024年7月26日
-
ヤンマーマルシェ、タキイ種苗と食育企画「とりたて野菜の料理教室」開催 カゴメ2024年7月26日
-
「ごろん丸ごと国産みかんヨーグルト」再登場 全国のローソンで発売 北海道乳業2024年7月26日
-
物価高騰が実質消費を抑制 外食産業市場動向調査6月度2024年7月26日
-
農機具王「サマーセール」開催 8月1日から リンク2024年7月26日
-
能登工場で育った「奇跡のぶなしめじ」商品化 25日から数量限定で受注開始 ミスズライフ2024年7月26日
-
東京・茅場町の屋上菜園で「ハーブの日」を楽しむイベント開催 エスビー食品2024年7月26日
-
鳥インフル 米国オハイオ州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2024年7月26日
-
大玉すいか販売大幅減 小玉「ピノ・ガール」は前年比146.8% 農業総研2024年7月26日
-
千葉県市原市 特産の梨 担い手確保・育成へ 全国から研修生募集2024年7月26日
-
水産・農畜産振興 自治体との共創事例紹介でウェビナー開催 フーディソン2024年7月26日
-
新規除草剤「ラピディシル」アルゼンチンで農薬登録を取得 住友化学2024年7月26日
-
自由研究に「物流・ITおしごと体験」8月は14回開催 パルシステム連合会2024年7月26日
-
高槻市特産「服部越瓜」の漬け込み作業が最盛期2024年7月26日