農林水産物・食品輸出初の6000億円台に2015年2月12日
平成26年の農林水産物・食品の輸出額が6117億円(対前年比11.1%増)と、輸出額統計を取り始めて以来の最高額になったと、2月10日に農水省が発表した。
◆品目別トップはホタテ
輸出の内訳は、農産物が3570億円、水産物が2337億円、林産物211億円となっている。
輸出先国別では(()内は輸出額ベスト3)、香港が1343億円(真珠、乾燥なまこ、タバコ)、米国932億円(ホタテ貝、ブリ、ソース混合調味料)、台湾837億円(タバコ、リンゴ、サンゴ)、中国622億円(ホタテ貝、サケ・マス、丸太)、韓国409億円(ビール、ホタテ貝、ソース混合調味料)がベスト5だ。
最近、力を入れ前年比15.5%増のシンガポールは189億円で、タイ348億円、ベトナム292億円に次いで第8位だ。
品目別では、ホタテ貝が447億円で最も多く、次いで真珠が245億円、菓子(米菓を除く)148億円、清酒とサバが115億円、サケ・マス114億円となっている。
農産物に限ると、前出の菓子、清酒に次いで、リンゴ86億円、牛肉82億円、緑茶78億円となっており、コメは前年よりも38.6%増の14億円で過去最高となっている。
◆輸出量も伸びる
為替レートが大きく円安となっているので、輸出額は「見かけ上の金額が増えただけではないか」という見方に対して農水省は、「確かに円安で現地での日本産食品の割安感が高まった面はある」としながら、
▽輸出食品は一般の貿易とは異なり、円建ての代金決済が太宗(77.4%)であること、
▽輸出量ベースでみても着実な伸びを示していること、
などから、日本産食品への海外での実需が高まったことによる増加の影響が大きいと考えられる、としている。
また、放射性物質に係る輸入規制に対する「政府一体となった働きかけの結果、徐々に撤廃・緩和の動き」があることや、BSEを契機とした輸入禁止国との動物検疫協議の実施など、輸入規制緩和の動きも、輸出を後押ししているとみている。
こうしたことを受けて、西川農林水産大臣は「2020年を待たずに1兆円を超えていくという基本的な考え方でやっていきたい」と、政府の2020年1兆円輸出目標を前倒しで達成すると意欲を示した。
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