食品産業の働き方改革でハンドブック2018年3月30日
・働く人も企業もいきいき時代へ
農林水産省は3月28日、食品産業の働き方の現状や課題などをまとめたハンドブックを初めて作成、その内容を公表した。同省では今後ハンドブックを広く活用してもらうことで、食品産業の働き方改革を推進していく考えだ。
農水省は、食品産業事業者の働き方改革を推進するため、今年1月から「働く人も企業もいきいき食品産業の働き方改革検討会」を設置し、食品産業の働き方の現状や課題などを議論。検討会の結果を踏まえたハンドブックの作成を検討してきた。
ハンドブックでは、食品産業において、人材確保や働きやすい環境づくりに取り組む事業者に、働き方改革を進める上で基本となる取組事項を確認するチェックリストや食品製造業、食品流通業、外食・中食産業それぞれの参考となる取組事例などを紹介している。また、働き方改革を促すための基本的な考え方、働き方に関するアンケート調査結果なども掲載している。
わが国の食品産業は日々の生活に不可欠な良質かつ多様で安全な食品を安定的に供給しており、こうした産業が人口減少や少子高齢化の中でも持続的に発展していくためには、食品産業分野で働く従業員が働きやすく、働きがいを持てるような取り組みを推進し、多様で能力あふれる人材を確保していくことが必要だ。

(グラフ)「働き方改革は必要か」とのアンケート結果
食品産業は、国内生産額で見ると約100兆円の産業であり、全産業総額の約1割を占める。また、82万を超える企業数があり、そのうち約99.8%を中小企業が占める。食品産業は国内農業とも深く結びついており、国産農林水産物の7割(最大の仕向け先)が食品産業向けであることから、食品産業の発展は食料自給率の向上にも密接に関係し、まさに、農林水産業の発展と食品産業の発展は車の両輪と言える。

(画像)第28回「大人になったらなりたいもの」アンケート結果(第一生命保険まとめ)
今回アンケートによると「働き方改革は必要だと思うか」の問いに対しては、労使ともに高い割合で「必要だ」と回答している一方で「まだ取り組めていない」との回答も多くなっている。また「改革は必要だと思うが、まだ取り組めていない」と回答した従業員では、その理由は、(1)トップの意識が低いから、(2)日々の業務が忙しすぎて余力がないから、(3)従業員自らが取り組む姿勢が低いからとの回答が多くなっている。
同省では、特に経営者や人事担当の役員などにハンドブックのチェックリストを積極的に活用してもらい、働き方改革の「気づき」の糸口を見出し「実践」に取り組んでほしい考えだ。
ハンドブックの詳細は食品産業の「働き方改革」(農水省ホームページ)からみることができる。
○問い合わせ先:同省食料産業局企画課
○TEL:03-3502-5742
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(174)食料・農業・農村基本計画(16)食料自給率その他の食料安全保障の確保に関する目標2025年12月27日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(91)ビスグアニジン【防除学習帖】第330回2025年12月27日 -
農薬の正しい使い方(64)生化学的選択性【今さら聞けない営農情報】第330回2025年12月27日 -
世界が認めたイタリア料理【イタリア通信】2025年12月27日 -
【特殊報】キュウリ黒点根腐病 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【特殊報】ウメ、モモ、スモモにモモヒメヨコバイ 県内で初めて確認 高知県2025年12月26日 -
【注意報】トマト黄化葉巻病 冬春トマト栽培地域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
【注意報】イチゴにハダニ類 県内全域で多発のおそれ 熊本県2025年12月26日 -
バイオマス発電使った大型植物工場行き詰まり 株式会社サラが民事再生 膨れるコスト、資金調達に課題2025年12月26日 -
農業予算250億円増 2兆2956億円 構造転換予算は倍増2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(1)2025年12月26日 -
米政策の温故知新 価格や流通秩序化 確固たる仕組みを JA全中元専務 冨士重夫氏(2)2025年12月26日 -
米卸「鳥取県食」に特別清算命令 競争激化に米価が追い打ち 負債6.5億円2025年12月26日 -
(467)戦略:テロワール化が全てではない...【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月26日 -
【スマート農業の風】(21)スマート農業を家族経営に生かす2025年12月26日 -
JAなめがたしおさい・バイウィルと連携協定を締結 JA三井リース2025年12月26日 -
「省エネルギー投資促進・需要構造転換支援事業」採択 高野冷凍・工場の省エネ対策を支援 JA三井リース2025年12月26日 -
日本の農畜水産物を世界へ 投資先の輸出企業を紹介 アグリビジネス投資育成2025年12月26日 -
石垣島で「生産」と「消費」から窒素負荷を見える化 国際農研×農研機構2025年12月26日 -
【幹部人事および関係会社人事】井関農機(1月1日付)2025年12月26日


































