「土日休日」「家族客」の客足好調続く 外食産業市場動向調査6月度2022年7月26日
日本フードサービス協会は7月25日、協会会員社を対象とした外食産業市場動向調査の2022年6月度の集計結果を発表した。6月の外食市場の全体売上は、前年対比119.9%。「昼の時間帯」、「家族客」、「土日休日」を中心に客足の好調が継続した。
6月の全体売上は119.9%と前月同様大幅に伸びた。夜遅い時間帯の集客は依然として弱いが、「昼の時間帯」、「家族客」、「土日休日」を中心に客足の好調が継続した。外食店舗は徐々に営業時間をコロナ前に戻すなど、コロナと共存して社会経済活動を維持しようという動きが見られ、売上はコロナ前の19年比で93.1%にまで戻った。一方で、パブ・居酒屋業態では2019年比58.3%と苦戦が続いている。
業態別でファストフード(FF)は、デリバリーの定着化に加え、行動制限がなくなり外食客も増えたことにより、全体売上は108.0%。「洋風」は、デリバリーや注文のデジタル化などの「利便性」と各種キャンペーンの好調もあり、売上108.1%。19年比でも121.4%と、引き続き業態を牽引した。「和風」は、駅前立地の回復が一部遅れているが、デリバリーの堅調や朝食のテイクアウト訴求が奏功し売上109.5%。「麺類」は、6月下旬の猛暑の中で冷たいメニューが好調、売上115.6%となった。「持ち帰り米飯/回転寿司」は、「持ち帰り米飯」にテイクアウト需要の一服感があるが、「回転寿司」の休日の集客が後押しし、売上100.8%となった。「その他」は、「カレー」の価格改定による単価上昇と、猛暑の下旬に「アイスクリーム」のイートインが好調で、売上109.3%となった。
ファミリーレストラン業態(FR)は、全体売上は131.3%と、昨年の営業制限の反動から大きく伸びたが、引き続き夜間の集客は弱く、2019年対比では83.8%で戻りは鈍い。反動増から「洋風」の売上は128.1%、「和風」は134.6%となるが、2019年比では8割前後にとどまった。クーポン配布などのキャンペーンの再開・強化に取り組むところもあり、徐々にコロナ前の環境に戻りつつあるが、夜の集客、宴会需要などは戻っていない。「中華」は、下旬の猛暑で冷し中華や飲料が好調で、売上119.1%。「焼き肉」は、郊外立地店が引き続き好調で、売上154.6%となった。
パブ・居酒屋業態で「パブ・居酒屋」は、6月も5月と同様、大都市圏などで酒類提供店に休業要請が続いた昨年と比べると売上は335.9%と驚くほどの伸びとなったが、2019年対比では58.3%。早い梅雨明けと下旬の猛暑で、ビール類の売れ行きが好調だったが、実際には"法人需要"と"夜間の客足"が戻らず、苦戦が続く。夜間営業のために人員確保に努めるが思ったほど集客できず、成果は少ない。
ディナーレストラン業態は、前年の反動増に加え、アルコール飲料を提供できたことなどにより、5月に続き売上は171.5%と大幅に上昇したが、2019年比は80.9%にとどまった。家族客、土日休日を中心に集客は好調だったが、法人宴会はまだ回復が見られない。
喫茶業態は、昨年の時短営業や休業の反動で、売上前年比は122.9%。どの立地でも回復基調はあるものの、下旬の猛暑でブレーキがかかった感もあり、2019年対比では83.2%となった。
重要な記事
最新の記事
-
「良き仲間」恵まれ感謝 「苦楽共に」経験が肥やし 元島根県農協中央会会長 萬代宣雄氏(2)【プレミアムトーク・人生一路】2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(1)2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:福島県JA夢みなみ岩瀬倉庫 主食用米確かな品質前面に(2)2025年4月30日
-
アメリカ・バースト【小松泰信・地方の眼力】2025年4月30日
-
【人事異動】農水省(5月1日付)2025年4月30日
-
コメ卸は備蓄米で儲け過ぎなのか?【熊野孝文・米マーケット情報】2025年4月30日
-
米価格 5kg4220円 前週比プラス0.1%2025年4月30日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ防止対策徹底を 農業倉庫基金理事長 栗原竜也氏2025年4月30日
-
米の「民間輸入」急増 25年は6万トン超か 輸入依存には危うさ2025年4月30日
-
【JA人事】JAクレイン(山梨県)新組合長に藤波聡氏2025年4月30日
-
【'25新組合長に聞く】JA新潟市(新潟) 長谷川富明氏(4/19就任) 生産者も消費者も納得できる米価に2025年4月30日
-
備蓄米 第3回は10万t放出 落札率99%2025年4月30日
-
「美杉清流米」の田植え体験で生産者と消費者をつなぐ JA全農みえ2025年4月30日
-
東北電力とトランジション・ローンの契約締結 農林中金2025年4月30日
-
大阪万博「ウガンダ」パビリオンでバイオスティミュラント資材「スキーポン」紹介 米カリフォルニアで大規模実証試験も開始 アクプランタ2025年4月30日
-
農地マップやほ場管理に最適な後付け農機専用高機能ガイダンスシステムを販売 FAG2025年4月30日
-
鳥インフル 米デラウェア州など3州からの生きた家きん、家きん肉等 輸入停止措置を解除 農水省2025年4月30日
-
埼玉県幸手市で紙マルチ田植機の実演研修会 有機米栽培で地産ブランド強化へ 三菱マヒンドラ農機2025年4月30日
-
国内生産拠点で購入する電力 実質再生可能エネルギー由来に100%切り替え 森永乳業2025年4月30日
-
外食需要は堅調も、物価高騰で消費の選別進む 外食産業市場動向調査3月度 日本フードサービス協会2025年4月30日