【特殊報】かんしょにサツマイモ炭腐病 県内で初めて確認 岐阜県2023年2月7日
岐阜県病害虫防除所は、サツマイモ(かんしょ)にサツマイモ炭腐病の被害を中濃地域で確認。これを受けて、2月3日に病害虫発生予察特殊報第3号を発令した。
一部が軟化・陥没した塊根(写真提供:岐阜県病害虫防除所)
2022年10月頃、中濃地域のサツマイモに塊根の一部が陥没、軟化、腐敗する症状が散見された。塊根の陥没、軟化した箇所の切断面は、表皮下から、軟化した箇所の切断面は、表皮下から灰色~灰黒色に変色し、腐敗症状または木炭状を呈していた。また、表皮下の組織中に黒色の微小菌核が観察された。
軟化・陥没した箇所(上部)の切断面(写真提供:岐阜県病害虫防除所)
岐阜県病害虫防除所で罹病塊根から菌を分離し、分離菌の形態調査およびPCR法による遺伝子診断Babuら、2007を実施した結果、Macrophominaphaseolinaであることが判明。同県で未発生のサツマイモ炭腐病であることが確認された。
主に貯蔵中の塊根で発生が見られ、罹病塊根の初期には症状が見られないが、やがて表面が軟化し陥没。表皮下は灰色~黒色に変色して乾固し、内部は木炭状となる。また、組織中には本菌の黒色の微小菌核(0.1ミリ程度)が多数観察される。
塊茎表皮下の微小菌核(写真提供:岐阜県病害虫防除所)
糸状菌の一種であるMacrophomina phaseolinaによって引き起こされ、この菌は、土壌中の罹病塊根中で微小菌核の形で越冬。微小菌核は土壌中で数年間生存し伝染源となるため、連作により土壌中菌密度は高まる。
また、同菌は宿主範囲が極めて広い多犯性で、ウリ科(メロン、キュウリ、スイカ)、マメ科(ダイズ、アズキ、ササゲ、インゲンマメ、アルファルファ、アカクローバ)、キク科(ヤーコン、キク)で、同菌による炭腐病が報告されている。
PDA培地上に形成した微小菌核(写真提供:岐阜県県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇1月末現在、同病に登録のある農薬はない。そのため、以下の耕種的防除を実施する。
〇罹病塊根は伝染源となるため、収穫後の残渣は可能な限りほ場外へ持ち出し、焼却するなど適切に処分する。
〇連作により土壌中の菌密度が高まるため、可能な限り連作は避ける。
〇同病の発生ほ場で使用した機械類、長靴などの資材に付着した土壌による感染の拡がりを防ぐため、使用するごとに洗浄や消毒を十分に行う。
重要な記事
最新の記事
-
集落営農「くまけん」逝く 農協協会副会長・熊谷健一氏を偲んで2025年10月21日
-
【サステナ防除のすすめ】水稲除草剤 草種、生態を見極め防除を(1)2025年10月21日
-
【サステナ防除のすすめ】水稲除草剤 草種、生態を見極め防除を(2)2025年10月21日
-
【JA組織基盤強化フォーラム】②よろず相談で頼れるJAを発信 JA秋田やまもと2025年10月21日
-
【中酪ナチュラルチーズコンテスト】出場過去最多、最優秀に滋賀・山田牧場2025年10月21日
-
11月29日はノウフクの日「もっともっとノウフク2025」全国で農福連携イベント開催 農水省2025年10月21日
-
東京と大阪で"多収米"セミナー&交流会「業務用米推進プロジェクト」 グレイン・エス・ピー2025年10月21日
-
福井のお米「いちほまれ」など約80商品 11月末まで送料負担なし JAタウン2025年10月21日
-
上品な香りの福島県産シャインマスカット 100箱限定で販売 JAタウン2025年10月21日
-
「土のあるところ」都市農業シンポジウム 府中市で開催 JAマインズ2025年10月21日
-
コンセプト農機、コンセプトフォイリングセイルボートが「Red Dot Design Award 2025」を受賞 ヤンマー2025年10月21日
-
地域と未来をさつまいもでつなぐフェス「imo mamo FES 2025」福岡で開催2025年10月21日
-
茨城大学、HYKと産学連携 干し芋残渣で「米粉のまどれーぬ」共同開発 クラダシ2025年10月21日
-
まるまるひがしにほん 福井県「まるごと!敦賀若狭フェア」開催 さいたま市2025年10月21日
-
北〜東日本は暖冬傾向 西日本は平年並の寒さ「秋冬の小売需要傾向」ウェザーニューズ2025年10月21日
-
平田牧場の豚肉に丹精国鶏を加え肉感アップ 冷凍餃子がリニューアル 生活クラブ2025年10月21日
-
誰もが「つながり」持てる地域へ 新潟市でひきこもり理解広める全国キャラバン実施2025年10月21日
-
第三回「未来エッセイ2101」受賞ノミネート作品13件を選出 アグリフューチャージャパン2025年10月21日
-
千葉県香取市で農業ボランティア「第2回 香取市援農Day」開催2025年10月21日
-
食と農業を担う起業家を発掘「FOOD&AGRI FOODTECH Youth Summit 2025」初開催2025年10月21日