【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
沖縄県病害虫防除技術センターは、さとうきびにメイチュウ類(カンシャシンクイハマキ、イネヨトウ)が伊是名島で発生し多発のおそれがあるとして、4月12日に令和6年度病害虫発生予察注意報第1号を発令した。
図1:ほ場での芯枯れの発生状況(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
沖縄県病害虫防除技術センターによると、4月中旬の伊是名村において株出し栽培の10ほ場で芯枯茎率調査を行った結果、芯枯茎率16で発生程度「多」で、発生ほ場率は100%(図1)。確認されたメイチュウ類はカンシャシンクイハマキとイネヨトウだった。
図2:芯枯れ茎(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
メイチュウ類は共通して、被害ほ場およびイネ科雑草が発生源となり、ほ場に侵入する。ふ化幼虫は葉鞘の内側を下降して節部の芽や根帯から食入し、生長点を加害して芯枯れ(図2)を起こす。
図3:カンシャシンクイハマキ幼虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
カンシャシンクイハマキ(図3)は、沖縄では年6~7世代を重ね、周年発生する。卵は葉や茎に1~数卵ずつ産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は200~500卵に達し、被害はほ場内に散在的に発生する。
図4:イネヨトウ幼虫(写真提供:沖縄県病害虫防除技術センター)
イネヨトウ(図4)は、沖縄では年5~7世代を重ね、周年発生する。卵は葉鞘の裏側に卵塊で産み付けられ、1雌当たりの生涯産卵数は400~700卵に達する。初期被害はほ場周縁部で見られ、ほ場内でスポット状や畝に沿って被害が拡大する。被害が集中的に起こるため、生育初期に加害されると坪枯れを起こすこともある。
同所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
〇ほ場および周辺の除草を徹底する。
〇培土時に土壌害虫の防除を兼ねた薬剤(粒剤)を施用する。
〇春植えおよび株出しでは、発芽または萌芽揃期から芯枯れを防止するため、食入初期の幼虫を想定して薬剤による予防散布を行う。
〇茎葉への水和剤等の散布は、葉鞘内に薬液がきちんと浸透するように丁寧に散布する。MEP単独成分の剤は感受性低下の報告があるため、他の剤を中心に散布する。
〇薬剤防除後、2~3週間をおいて再度防除を行うことで防除効果が高まる。
〇被害の多い地域では薬剤による一斉防除を行う。※農薬の使用にあたっては、ラベルをよく読み、登録内容を確認して正しく使用する。
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