【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県下全域で多発のおそれ 岩手県2025年7月29日
岩手県病害虫防除所は、りんごに果樹カメムシ類が県下全域で多発のおそれがあるとして、7月28日に令和7年度病害虫発生予察注意報第6号を発表した。
岩手県病害虫防除所によると、基準圃場(北上市成田:無防除)に設置した集合フェロモントラップにおけるチャバネアオカメムシの誘殺数は、7月第5半旬に427頭と、同時期の平年(4.7頭)を大幅に上回った。さらに、多発年だった平成13年(35頭)と平成24年(46頭)も大幅に上回った。
(提供:岩手県病害虫防除所)
一般圃場(県中部)に設置した集合フェロモントラップでも同様に、7月後半になって誘殺数の急激な増加が見られており、山林から園地への新成虫の大量飛来が始まったと見られる。
仙台管区気象台が7月22日に発表した3か月予報では、8月以降も気温は平年より高い。果樹カメムシ類の活動が活発になり、果実への加害が懸念される。
(提供:岩手県病害虫防除所)
同防除所では次のとおり防除対策を呼びかけている。
(1)園地をよく観察し、果樹カメムシ類の大量飛来が確認された場合は、令和7年度農作物病害虫発生予察情報第4号(6月27日発表)を参考に、カメムシ類に効果のある薬剤による防除を行う。
(2)山林から園地への果樹カメムシ類の飛来数は地域による差が大きいため、園地への飛来状況をよく観察する。特に、山間部や山林に隣接する園地では注意する。
(3)多発年だった平成13年は、りんご園地だけでなくきゅうり圃場でもカメムシ類の発生と果実被害が見られたため警戒が必要(平成13年度病害虫防除技術情報「平成13年にきゅうりで発生したカメムシ類による被害とその防除」)。
◎防除上の留意点
(1)養蜂活動が行われている地域で殺虫剤を散布する場合は、養蜂家と協議の上、散布時期を事前に通知するなど、ミツバチへの危害防止に努める。特に下草に花がある場合には、散布前に草刈りを実施する。
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