生産資材:年頭あいさつ2018
鈴木 岳人 氏(農業機械公正取引協議会 会長)2018年1月3日
公正競争遵守へ不断の努力を
明けましておめでとうございます。謹んで新春の御祝詞を申し上げます。
我が国経済は、経済対策による内需の下支えや雇用などの改善が見られ、株価も高水準にあり、消費意欲も高まり、またインバウンド需要も安定してきております。しかしながら、国際情勢や景気動向に不安要素も見られ、我が国経済を取り巻く不透明要因も数多くあります。
さて、昨年は7月に九州北部や秋田県などが記録的な豪雨による甚大な災害に見舞
われました。また10月の台風21・22号による農業被害もございました。被害にあわれた地域の皆さまにお見舞いを申し上げるとともに、一日も早い復旧を祈念いたします。
農業におきましては、農業就業者が減少している中、農業が将来にわたって持続的に発展するための各種施策が急速に進められております。生産資材価格の引き下げ及び全農改革(生産資材の買い方の見直し)が農業競争力強化プログラムの筆頭に掲げられ、これにもとづき、昨年8月には農業者による農業の競争力強化の取り組みを支援する「農業競争力強化支援法」が施行されるなど、農機業界においても新たな対応が求められる状況になっております。
また、同時に昭和28年から高性能農業機械の開発・導入制度及び農機具の型式検査制度を規定していた「農業機械化促進法」が本年3月に廃止されることとなり、売手側の自主的な責任が名実ともに重くなってまいります。
このような中、昨年の国内の農業機械の販売状況は、ほぼ横ばいで推移したものと思われます。農業の構造的変化が進む中、農機市場は底を打ちつつあると思われますが、国内農機市場は、今後とも厳しい市場環境が続くものと予想されます。
農機業界は、ロボット技術やICTなどの先端技術を活用したスマート農業の実現など、農業・農村の持続的な発展のために、農業の構造的変化に即応する形で時代のニーズに合った取り組みが求められています。
さて、景品表示法の改正がなされ、不当表示などの未然防止を図る観点から、事業者に対して表示事項等を適正に管理するために必要な措置を講じるよう義務づける規定が設けられました。それとともに、不当な表示を防止するために「課徴金制度」が導入され、昨年1月、大手自動車メーカーに措置命令と改正後初めて課徴金納付命令が出されております。
昨今、企業の不祥事に対する社会の目が一層厳しくなってきておりますが、表示問題も各業界でさまざまな指摘を受けているところがございます。幸い皆さまのご理解ご支援を得て、農業機械の公正競争規約の分野では大きな問題は生じておりません。引き続き公正競争規約の遵守をよろしくお願いいたします。
最後になりましたが、新しい年が皆さま方にとってより佳い年であり、さらなる発展の年になりますよう祈念申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(173)食料・農業・農村基本計画(15)目標等の設定の考え方2025年12月20日 -
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(90)クロロニトリル【防除学習帖】第329回2025年12月20日 -
農薬の正しい使い方(63)除草剤の生理的選択性【今さら聞けない営農情報】第329回2025年12月20日 -
スーパーの米価 前週から10円上がり5kg4331円に 2週ぶりに価格上昇2025年12月19日 -
ナガエツルノゲイトウ防除、ドローンで鳥獣害対策 2025年農業技術10大ニュース(トピック1~5) 農水省2025年12月19日 -
ぶどう新品種「サニーハート」、海水から肥料原料を確保 2025年農業技術10大ニュース(トピック6~10) 農水省2025年12月19日 -
埼玉県幸手市とJA埼玉みずほ、JA全農が地域農業振興で協定締結2025年12月19日 -
国内最大級の園芸施設を設置 埼玉・幸手市で新規就農研修 全農2025年12月19日 -
【浜矩子が斬る! 日本経済】「経済関係に戦略性を持ち込むことなかれ」2025年12月19日 -
【農協時論】感性豊かに―知識プラス知恵 農的生活復権を 大日本報徳社社長 鷲山恭彦氏2025年12月19日 -
(466)なぜ多くのローカル・フードはローカリティ止まりなのか?【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年12月19日 -
福岡県産ブランドキウイフルーツ「博多甘熟娘」フェア 19日から開催 JA全農2025年12月19日 -
α世代の半数以上が農業を体験 農業は「社会の役に立つ」 JA共済連が調査結果公表2025年12月19日 -
「農・食の魅力を伝える」JAインスタコンテスト グランプリは、JAなごやとJA帯広大正2025年12月19日 -
農薬出荷数量は0.6%増、農薬出荷金額は5.5%増 2025年農薬年度出荷実績 クロップライフジャパン2025年12月19日 -
国内最多収品種「北陸193号」の収量性をさらに高めた次世代イネ系統を開発 国際農研2025年12月19日 -
酪農副産物の新たな可能性を探る「蒜山地域酪農拠点再構築コンソーシアム」設立2025年12月19日 -
有機農業セミナー第3弾「いま注目の菌根菌とその仲間たち」開催 農文協2025年12月19日 -
東京の多彩な食の魅力発信 東京都公式サイト「GO TOKYO Gourmet」公開2025年12月19日 -
岩手県滝沢市に「マルチハイブリッドシステム」世界で初めて導入 やまびこ2025年12月19日


































