生産資材:年頭あいさつ2019(農機・資材)
木股 昌俊 氏(一般社団法人日本農業機械工業会 会長)2019年1月3日
一層の生産性向上へ
謹んで新年のお慶びを申し上げます。
皆様方におかれましては、お健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上げます。
平素より本会にお寄せいただいておりますご支援とご厚情に厚く御礼申し上げます。昨年は、自然災害が相次いだ年でした。年頭に当たり、本年の平穏と皆様方のご隆盛・ご多幸をお祈り申し上げます。
12月の内閣府・月例経済報告によりますと我が国の景気は、「緩やかに回復している。」とされており、戦後最長と並ぶ景気回復局面を迎えています。
海外の景気は、世界の2大経済大国である米中が双方で輸入関税を巡る報復措置を繰り返し、貿易戦争と報道される様相となっており、また、本年には、日米物品協定の交渉が始まるなど、今後の行方に注視が必要な状況です。
国内農業は、我が国の少子・高齢化が進む中、担い手の不足や高齢化が農業構造の急速な変化をもたらし、未来に向けての生産体制の再構築が求められている状況です。
こうした中、ロボット農機をはじめとする農業機械の高度化に期待が集まっており、ロボット技術やICT等の先端技術を活用し、超省力化や高品質生産等を可能にする「スマート農業」が着実に進んでいます。例えば、ロボットトラクターにおいては、ほ場内で無人自動走行作業するタイプのものは既に市場化段階にあります。
政府においては、ロボット農機をはじめ、スマート農機が現場で円滑に利用できるようルールづくりや普及、作業機付きトラクターの公道走行が検討されており、当工業会においてもこれに積極的に協力をしているところです。
さて、私ども農機業界の状況を日農工統計から見ますと、昨年1月から11月までの累計生産・出荷実績は、生産額が3830億円と前年同期比95%、出荷額が4120億円、同102%で推移しました。その内、国内向けの出荷額は、2390億円で98%となっています。米価の回復や担い手向け大型機械の動きはあったものの、災害や天候不順などの影響を受け、全体としては回復が遅れている状況です。
足下の状況には、依然として厳しさがありますが、日本の農業が大きく変わろうとするとき、農業機械が「農業者を支える、より頼もしいパートナー」として、生産性向上の要を担い、しっかりと農業の担い手を支える役割を果たしていけるよう努めて参りたいと存じます。
関係各位のご理解・ご支援をお願い申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。
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