夏秋キャベツ・加工用の需要強く、価格上昇か 野菜需給協議会2015年8月5日
7月31日、平成27年度第1回野菜需給協議会が開かれ、生産者、流通業者、消費者等野菜の関係者が、野菜需給・価格情報委員会によってまとめられた「平成27年産夏秋野菜の需給一価格の見通し」について、質疑を行った。野菜の価格見通しについては以下の通り。
◎夏秋キャベツ
一部地域の干ばつ等の影響で出荷が減少。8月価格は前年を上回る見込み。9月以降は順調な出荷が見込まれ、10月は前年並みの出荷となるものの、9月の価格は高かった前年を下回る見込み。
加工・業務用は、カット野菜の需要が強く、事業者が必要量を契約できない産地もある。新規の加工業者は契約しづらいことや、カット野菜の生鮮小売りへの供給確保の影響から、原材料の市場調達が進むことも考えられ、その場合には市場価格が上昇する可能性もある。
◎夏だいこん
干ばつ等の影響が懸念されるものの、期間を通じ安定した出荷が見込まれる。高かった前年並みの価格となる見込み。
加工・業務用は、外食業界などから切りだいこんの注文が年々増加。加工用需要が高くなってきているものの、今年は、加工向け産地の作付面積の減少や干ばつ等での生育の遅れから、契約が進んでいない業者も一部にみられる。
◎たまねぎ
一部産地での小玉傾向や産地の切り替え時期などによる出荷の減少で、8月価格は前年を上回る見込み。9月以降は本格的な出荷を迎え、10月の価格は安値だった前年を上回る見込み。
加工・業務用は、中国産の残留農薬問題や作付面積の減少、国内価格の上昇もあり、北海道産の生育が順調であれば、国産への切り替えニーズがあるものの、自ら剥き玉に加工できる業者は限られていることから、中国産のニーズは、引き続き堅調と考えられる。
◎秋にんじん
8月は、干ばつの影響で出荷の谷間となる可能性があり、安値だった前年を上回る見込み。9月以降は順調な出荷が見込まれ、9月は前年並み、10月は安値だった前年を上回る見込み。
加工・業務用は、中国産が東南アジアからの引き合いが強く、価格が上昇しているものの、現在の国内産は干ばつ等で細いサイズのものが多く、加工・業務用では使いづらい状況。北海道産の作柄次第では中国産にシフトする可能性がある。
◎夏はくさい
期間を通じ生育も順調で安定した出荷が見込まれる。高かった前年価格を下回る見込み。
加工・業務用は、契約単価が上がり、契約量も増え、現在は在庫量も十分確保されている状態。また、秋以降の本格的な需要期を迎えるまでに契約率を上げていく業者が多くなっている。
◎夏秋レタス
8月は高温等による病害等の発生で、高かった前年並みの価格見込み。9月は高かった前年を下回り、10月は安値だった前年を上回る見込み。
加工・業務用は、外食チェーンを中心に、国産野菜を使用したサラダにシフトする動きがあることから、需要量が増加する可能性がある。しかし価格条件の面で米国産等を確保する業者も現れる可能性がある。
協議会では、「野菜の消費拡大には、1日に必要な量(350g)をパックし販売する方法も有効だ」「ドライバー不足が野菜の流通取引に与える影響は、生産者や中間事業者の輸送費負担、産地の出荷市場の絞り込みなどの形で現れつつある」といった意見が上がった。
消費動向について次のような意見があった。
主要6品目以外のズッキーニや環境配慮型のやさい(長ネギ、長ナス等)の販売額が年々増加しており、国内産地の面積拡大や国産の供給強化を検討していく。
外食業界などでは国産野菜に切り替えたいという希望を持った企業が増えてきている。
簡便化志向で、ゴボウのアク抜きなど調理時間のかかる野菜の販売量が減少傾向にある。
原油価格が再上昇の兆しがあり、秋以降の施設栽培への影響が懸念されている。
重要な記事
最新の記事
-
飼料用米、稲WCSへの十分な支援を JAグループ2025年10月16日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】本質的議論を急がないと国民の農と食が守れない ~農や地域の「集約化」は将来推計の前提を履き違えた暴論 ~生産者と消費者の歩み寄りでは解決しないギャップを埋めるのこそが政策2025年10月16日
-
死亡野鳥の陰性を確認 高病原性鳥インフル2025年10月16日
-
戦前戦後の髪型の変化と床屋、パーマ屋さん【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第360回2025年10月16日
-
「国消国産の日」にマルシェ開催 全国各地の旬の農産物・加工品が集合 JA共済連2025年10月16日
-
静岡のメロンや三ヶ日みかんなど約170点以上が「お客様送料負担なし」JAタウン2025年10月16日
-
高齢者の安全運転診断車「きずな号」を改訂 最新シミュレーター搭載、コースも充実 JA共済連2025年10月16日
-
安心を形にした体験設計が評価 「JA共済アプリ」が「グッドデザイン賞」受賞 JA共済連2025年10月16日
-
東京都産一級農畜産物の品評会「第54回東京都農業祭」開催 JA全中2025年10月16日
-
JA協同サービスと地域の脱炭素に向けた業務提携契約を締結 三ッ輪ホールディングス2025年10月16日
-
稲わらを石灰処理後に高密度化 CaPPAプロセスを開発 農研機構2025年10月16日
-
ふるさと納税でこども食堂に特産品を届ける「こどもふるさと便」 寄付の使いみちに思いを反映 ネッスー2025年10月16日
-
「NIPPON FOOD SHIFT FES.」に出展へ 井関農機2025年10月16日
-
マルトモが愛媛大学との共同研究結果を学会発表 鰹節がラット脳のSIRT1遺伝子を増加2025年10月16日
-
マックスの誘引結束機「テープナー」用『生分解テープ』がグッドデザイン賞を受賞2025年10月16日
-
北海道芽室町・尾藤農産の雪室熟成じゃがいも「冬熟」グッドデザイン賞受賞2025年10月16日
-
夏イチゴ・花のポット栽培に新たな選択肢「ココカラ」Yタイプ2種を新発売2025年10月16日
-
パルシステムの奨学金制度「2025年度グッドデザイン賞」を受賞2025年10月16日
-
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日
-
鳥インフル デンマークからの家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月16日