旬のブロッコリー「値頃感があり、高品質」価格高騰は落ち着き例年並みに 農業総研2024年1月31日
全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する株式会社農業総合研究所は、旬を迎える「今年のブロッコリー予想」をまとめた。同社によると、今年のブロッコリーの品質は、猛暑の影響も収まり、例年通り高品質。急激な気候変動などがない限り、価格も落ち着き、高品質なブロッコリーが手に入れられる状況と予想している。
同調査は1月5日〜24日、同社が全国2000店舗以上のスーパーマーケットで展開する「農家の直売所」と産直卸でのブロッコリーの販売データおよびスーパーマーケット担当者や生産者へのヒアリングで実施。
ブロッコリーの販売額は、同社の取り扱いでも着実に増えており、直近のシーズンを比較すると、2022年8月~12月と2023年の出荷量を比較すると、88.9%の増加。農林水産省もブロッコリーを国民の生活上重要な野菜である「指定野菜」に追加する方針を固め、2026年度からの適用されることになった。また、同社取り扱いのブロッコリー価格の推移をみると、2023年8月に158円だった単価が、10月には228円まで高騰。この1月には159円と例年よりやや安い程度に落ち着いている。
一方、昨秋の高騰は、猛暑の影響によるもの。記録的な猛暑が続き、ブロッコリーの品質が低下、さらに収穫量も激減したことで、品不足が生じ、価格が急激に上昇した。すでに価格は落ち着いたが、冬の気候次第では、再び高騰する可能性もある。
販売量が増加する理由
ブロッコリーの販売が増えている理由として、生活者側からは、近年の「筋トレブーム」や、ライフスタイルの変化を背景に冷凍野菜の需要がある。ブロッコリーにはたんぱく質やビタミンB6など、筋トレに欠かせない栄養素が豊富に含まれている。また、国産ニーズが高まっている冷凍ブロッコリーは長期保存が可能で手軽に調理できるため、忙しいライフスタイルの人を中心に需要が伸びている。
一方、生産者にとってもブロッコリーを積極的につくりたい事情がある。ブロッコリーとキャベツの栽培方法は似ているが、キャベツはブロッコリーに比べて、はるかに重い。そのため、収穫には大変な労力が必要となる。また、キャベツの単価はブロッコリーよりも安いため、生産者が採算をあわせにくいという事情もある。こうした理由からキャベツからブロッコリーに転換する生産者が増えている。
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