JAの共済事業事務負担 4割軽減へ支援-JA共済連2018年7月31日
JA共済連は、JAの共済事業の事務負担軽減や、農業リスク分野の保障提供など共済事業における自己改革に取り組んでいるが、7月27日、これまでの取り組み状況を公表した。
JA共済はJAとJA共済連の共同元受方式のもとでペーパーレス化、キャッシュレス化の導入と、自動車損害調査業務の連合会への移行などJAの事務負担軽減に取り組んでいる。
これらの新事務手続きが定着したことで平成29年度末時点で約28%(平成26年度比)の業務時間が軽減された。
ペーパーレス化、キャッシュレス化による軽減効果は約21%、自動車損害調査を連合会へ移管することによる軽減効果は約7%となっている。29年度末時点で220JA、30年6月末時点では304JAが損害調査業務を連合会に移管している。
ペーパーレス手続きによって、すべての共済新契約の申込み手続き時間が約9~17分軽減されたことが確認されている。利用者からはペーパーレス化に対して「大きな画面、大きな文字で確認できるので見やすくなった」、「申込時に現金を用意する必要がないので便利になった」、「何種類も書類を書き込む必要がなくなり簡単になった」などの声が寄せられているという。
JA支援機能を強化する取り組みとしては、平成27年に生命査定機能、28年10月に引受審査機能を全国8か所の地区業務センターに集約、県域を越えた機能集約を行った。これによって全国で計198名の要員をJAの普及推進や事務のサポートに充てる体制が実現した。
農業リスク分野の取り組みでは農業リスク診断活動を実施している。これは農業者に対して農業経営を取り巻くリスクについて意識喚起を行うとともに、リスク対策の有無の確認、さらに明らかになったリスクへの対策提案をするといった一連の活動でリスクチェックシートを活用して実施する。リスクチェックシートの枚数は29年度末で8万2000枚となっており、前年度の4倍以上となっている。また、30年4月からはタブレット端末を活用したリスク診断活動も強化している。
診断活動を通じて明らかになったリスクに対しては共栄火災と連携した「農業応援隊」(大規模化や法人化、6次産業化に取り組む農業者を取り巻く賠償責任リスクを包括的に保障)などの商品提供を行っている。
今後は農作業事故の未然防止にも力を入れる。
農作業中の死亡事故の発生率は他の産業を大きく上回っている。このためこれまでの事故データをもとに「どういう時にどのような事故が発生しているか」を分析して農家に情報提供をしていくなど、安全確保、リスク回避・軽減につなげていきたいという。
(関連記事)
・基礎利益2000億円増-JA共済連 29年度決算(18.07.30)
・自動車損調サービス担当者全国交流集会(18.07.17)
・JA共済支える優績LAを表彰 JA共済連(18.07.12)
重要な記事
最新の記事
-
石破首相退陣に思う JAトップと野党議員が語る農政の課題2025年9月11日
-
米の収量で作況に代わる新指標 5年中3年平均値対比 農水省2025年9月11日
-
納豆汁、鯨汁、菊の花のお浸し-山形内陸の食-【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第355回2025年9月11日
-
見かけは盛んな花の研究ですが...【花づくりの現場から 宇田明】第68回2025年9月11日
-
水稲の斑点米カメムシ類 1道2府32県で注意報 病害虫発生予報第7号 農水省2025年9月11日
-
「JA島原雲仙フェア」 みのりカフェ長崎駅店で11日から開催 JA全農2025年9月11日
-
身近な交通事故を可視化した「交通安全MAP」を公開 特設サイトも開設 JA共済連2025年9月11日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第113回2025年9月11日
-
自然再生をめざす金融アライアンス 新たな指針と技術集を公開 10月9日にシンポジウム 農林中金2025年9月11日
-
【組織改定・人事異動】デンカ(9月10日、10月1日付)2025年9月11日
-
三重県いなべ市の塩崎圃場が有機JAS「有機農産物」認証取得 KIMOTOファーム2025年9月11日
-
国内ポリオレフィン事業の競争力強化へ基本合意 三井化学、出光興産、住友化学2025年9月11日
-
ぶどうのまちで楽しむ収穫の秋「第33回 巨峰の王国まつり」開催 長野県東御市2025年9月11日
-
「初めて聞く農業者向け 農福連携セミナー」オンラインで開催 日本農福連携協会2025年9月11日
-
「AIエージェント×AI/DXフォーラム~農業」25日に開催 AIデータ社2025年9月11日
-
発売5年目の『無限シリーズ』リニューアル ひと口サイズも発売 亀田製菓2025年9月11日
-
農業プロジェクト『UTSUNOMIYA BASE』主催夏祭りイベント 宇都宮で開催2025年9月11日
-
熱中症対策をサポート「涼しい時間帯」に特化した農機具レンタルプラン開始 唐沢農機2025年9月11日
-
相鉄ブランド野菜「そうてつとれたて便」販売開始「貨客混載」輸送も実施2025年9月11日
-
新潟県津南町でカーボンクレジット地産地消モデルを実現 フェイガー2025年9月11日