「ゆうちょ銀行の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針案に対する意見募集」に対する意見 農林中金2025年5月22日
農林中金とJAバンク、JFマリンバンクは5月20日、郵政民営化委員会よりなされた意見募集に対して、4月25日付で意見を提出したことを公表した。
【意見全文】
今般、日本郵政がゆうちょ銀行の株式の2分の1以上を処分することに伴い、改正郵政民営化法にもとづき、同行の新規業務規制が認可制から届出制に移行する見通しでございます。これを踏まえ、郵政民営化委員会において、「株式会社ゆうちょ銀行の新規業務に関する届出制の運用に係る郵政民営化委員会の方針案」(以下「方針案」という。)が検討されているものと承知しております。
この規制の枠組みは、郵政民営化法において、日本郵政が保有するゆうちょ銀行およびかんぽ生命の株式の全部をできる限り早期に処分することを目指す旨が定められていること、かつ、2012年の改正郵政民営化法の附帯決議(以下「附帯決議」という。)において、両社の全株式処分に向けて日本郵政が具体的な説明責任を果たすよう努めることとされていることに鑑みれば、完全民営化に向けた移行期間中の取扱いであると解されます。
私どもはかねてより、間接的な政府出資が残るゆうちょ銀行が新規業務に参入するに当たっては、まずは完全民営化への道筋が具体的に示され、その確実な実行が担保されることが最低限必要であり、そのうえで、個別業務ごとの新規参入の是非については、利用者利便の向上、適正な競争関係の確保の観点を踏まえ、その可否を判断する必要があると主張してまいりました。
しかしながら、依然として日本郵政による説明責任は果たされていないことから、早期にその道筋が示され、実現に向けた取組みが着実に進むことを強く期待いたします。
一方、方針案では新規業務の届出があった場合、郵政民営化委員会が「調査審議」、「外部からの意見聴取」、「意見の作成・公表」について、その実施要否を判断することとされております。
この運用においては、以下の法令等の趣旨を厳格に遵守すべきであると考えます。
改正郵政民営化法が「他の金融機関等との間の適正な競争関係および利用者への役務の適切な提供を阻害することのないよう特に配慮すること」を求めていること。
附帯決議において、「郵政民営化委員会に対して、必要に応じ利用者代表および関係する業界団体が意見を述べる機会を確保するなど、公平・中立な機関として運営すること」等を求めていること。
以上の観点から、郵政民営化委員会に対して、以下の3点を求めることといたします。
1. 調査審議の透明性等の確保
「調査審議」の実施要否について、運用の透明性や公平性を確保するため、その判断理由等を個別案件ごとに公表すべきである。
2. 意見聴取の機会確保
「外部からの意見聴取」については、適正な競争関係に与える影響を適切に判断するため、当事者である他の金融機関等が意見を述べる機会を確保すべきである。
3. 継続的なモニタリングの実施
郵政民営化委員会は、業務開始後においても改正郵政民営化法がゆうちょ銀行に求める配慮義務の遵守状況を継続的にモニタリングし、他の金融機関等からの要請があった場合を含め、「意見の作成・公表」等を行うべきである。
JAバンク・JFマリンバンクは日本全国の農山漁村に広く店舗を展開しており、農業者や漁業者等への金融サービスの提供を通じて、わが国の農林水産業や地域社会・経済を支えております。こうした地域においては、ゆうちょ銀行と密接な競合関係にある一方で、全国ネットワークを通じて各地域で幅広いサービスを提供している郵便局とは、農林水産業の成長産業化や地域社会の維持・発展に向け、連携・協調できる部分が存在すると考えます。
こうした連携・協調が実を結ぶには、ゆうちょ銀行と私ども民間金融機関が公正な競争条件のもとで共存し、安定した地域の金融システムを維持することを通じて、地方経済・地域社会を発展させていくことが重要と認識しております。
郵政民営化委員会においては、私どもの意見を十分に勘案し、高い透明性と公平性を備えた実効的な運用方針を策定・実行されることを切に望みます。
重要な記事
最新の記事
-
商系に撤退の動き、集荷競争に変調 米産地JA担当者に聞く(中)【米価高騰 今こそ果たす農協の役割】2025年10月30日 -
再生産可能なコメ政策を 米産地JA担当者の声(下)【米価高騰 今こそ果たす農協の役割】2025年10月30日 -
生産者が将来見通せる政策を 鈴木農相を表敬訪問 山野JA全中会長ら2025年10月30日 -
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】新政権の農政~「朝令暮改」2025年10月30日 -
よく食べた栗の実【酒井惇一・昔の農村・今の世の中】第362回2025年10月30日 -
鳥インフルエンザウイルスの地理的拡散と進化 2024年シーズンの遺伝子を解析 農研機構2025年10月30日 -
第36回岐阜県農業フェスティバルに出店 ステージやイベントで県産農畜産物をPR JA全農岐阜2025年10月30日 -
全国の産地応援 伊藤園と共同開発「ニッポンエール 大分県産完熟かぼすSODA」発売 JA全農2025年10月30日 -
伊藤園と共同開発「ニッポンエール 長野県産りんご三兄弟」 発売 JA全農2025年10月30日 -
【肉とビールと箸休め ドイツ食農紀行】ドイツで食べ物は高いか?安いか?2025年10月30日 -
最新の無人・自動運転トラクターを実演 クボタアグリロボ実演会 in加美を開催 JAグループ宮城2025年10月30日 -
東北6県の魅力発信「全農東北プロジェクト」とコラボ企画実施 JAタウン2025年10月30日 -
「JAタウン公式アプリ」リリースで開発・導入を支援 メグリ2025年10月30日 -
GREEN×EXPO 2027公式ライセンス商品を相次ぎ発売 横浜と大阪で期間限定店開設 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月30日 -
適用拡大情報 殺菌剤「ダイパワー水和剤」 日本曹達2025年10月30日 -
ローズポークを食べてプレゼントを当てよう 11月にキャンペーンを実施 茨城県銘柄豚振興会2025年10月30日 -
鳥インフル 英国からの生きた家きん、家きん肉等 輸入を一時停止 農水省2025年10月30日 -
国産の針葉樹100%使用 高耐久の木製杭「エコクレオ防腐杭」がウッドデザイン賞 コメリ2025年10月30日 -
近いがうまい埼玉産「埼玉県地産地消月間」11月に県産農産物を集中PR2025年10月30日 -
「長崎みかん」初売りイベント 大田市場で開催 JA全農ながさき2025年10月30日


































