お米、若い層でも「品質重視」 JC総研調査2013年7月9日
一般社団法人JC総研は7月3日に「米の消費行動に関する調査結果」を公表した。今回の調査では「特売の米」や「なるべく安い米」を買う割合が若い層でも減少し、安値志向から品質重視への変化が見られた。ただ一方で、朝食欠食を中心に"食べない"割合が増加するなど、JC総研では「健康面を考慮するとさらなる食生活の管理が必要」と指摘している。
◆価格志向は減少傾向
米の購入先は「いつも同じところ」で、購入する米は「産地と品種が同じ米」との回答が42%ともっとも多かった。2012年調査では39.1%。今回は2.9ポイント増えた。
購入先にかかわらず「特売のお米が中心」との回答は前回15.8%→今回13.8%、「なるべく安い米」が前回14.2%→9.9%といずれも減少し安値志向から品質重視への変化が見られた。
属性別にみると、家計を預かる立場と思われる主婦層でも「特売のお米」は20.2%から16.8%に減少した。その一方で「産地と品種が同じ米」が37.6%から46.5%へと大きく増加した。
若年層でも変化が見られた。
20代以下では「なるべく安い米」が前回の31.3%から17.8%へと13.5ポイントも減少。「産地と品種が同じ米」が31.3%から39.6%へと大きく増えた。JC総研では「若年層でも購入ポイントが安さだけではなくなってきているのかもしれない」と集計結果をみている。
米を購入する際にこだわる点について聞いた別の質問でも、価格へのこだわりに変化がみられた。
09年から12年までの調査では「価格帯」との回答が68?69%を占めていたが、今回は10ポイントも減少して59.7%と60%を割り込んだ。ただし、依然、トップであることに変わりはない。また、品種、産地、精米年月日へのこだわりは20%前後でこれまでの調査と変化はなく、「米の購入価格が高めにシフトしているのは確かだが、志向が価格からブランド(産地・品種)まで移ったとはいえない」としている。
◆品種の特長、もっと紹介して
米の売り場や商品への要望については全体で「品種の特長をもっと紹介してほしい」が32.2%ともっとも多かった。前回より2.7ポイント増加している。 「農薬の使用状況などをもっと紹介してほしい」も全体で25.4%で、とくに主婦層では28.9%と高い。「試食をしたい」、「産地・栽培方法・生産者のことをもっと紹介してほしい」との要望も上位にランクインし、生産・流通サイドで取り組む課題が示された。
そのほか、単身女性では「取って付きなど持ち運びやすい容器にしてほしい」との答えが21.9%と多く、JC総研では「一考したい課題」と指摘している。 一方で今回の調査では、40代以下層では朝食を毎日食べている割合が80%を割り込んだ。また、週21食(3食×7日)のうち、半数以上食べなかった割合は20代以下16.4%、30代17.1%、40代14.1%で50代でも10.8%と高水準だった。調査では米を主食とする食数が13.06食で前回より0.24食の減。しかし、パン類や麺類が増えていたわけではない(+0.01食)。
米の購入行動に変化が見られはしたものの、「健康面を考慮するとさらなる食生活の管理が必要」な現状が示された。
(関連記事)
・「震災復興は漁協の性格に即して」JC総研(2013.05.27)
・国産畜産物志向増える JC総研の消費者調査(2013.04.04)
・野菜・果物を食べる頻度増える JC総研の消費行動調査(2012.12.03)
・国産志向にブレーキかけた原発事故 JC総研が畜産物の消費行動を調査(2012.03.28)
・大きく低下、単身男性と若年層の野菜摂食 JC総研の消費行動調査(2011.11.28)
重要な記事
最新の記事
-
【注意報】てんさいの褐斑病が早発 早めの防除開始を 北海道2025年7月2日
-
JA貯金残高 106兆7563億円 5月末 農林中金2025年7月2日
-
日本の農業、食料、いのちを守る 「辛抱強い津軽農民」立つ 青森県弘前市2025年7月2日
-
「食と農をつなぐアワード」募集開始 優良な取組を表彰 農水省2025年7月2日
-
秋元真夏の「ゆるふわたいむ」JAおきなわ食菜館「とよさき菜々色畑」へおつかい JAタウン2025年7月2日
-
三菱マヒンドラ農機 ペースト施肥、紙マルチ田植機、耕うん作業機の販売強化2025年7月2日
-
外来DNAをもたないゲノム編集植物 作出を大幅に効率化 農研機構2025年7月2日
-
「2025年度農業生物資源ジーンバンク事業シンポジウム」開催 農研機構2025年7月2日
-
創立100周年記念プレゼントキャンペーン第3弾を実施 井関農機2025年7月2日
-
住友化学園芸が「KINCHO園芸」に社名変更 大日本除虫菊グループへ親会社変更2025年7月2日
-
フランス産牛由来製品等 輸入を一時停止 農水省2025年7月2日
-
【人事異動】ヤンマーホールディングス(7月1日付)2025年7月2日
-
長野県、JA全農長野と連携 信州産食材使用の6商品発売 ファミリーマート2025年7月2日
-
地域共創型取り組み「協生農法プロジェクト」始動 岡山大学2025年7月2日
-
埼玉県産農産物を活用「Made in SAITAMA 優良加工食品大賞2026」募集2025年7月2日
-
黒胡椒×ごま油でおつまみにぴったり「堅ぶつ 黒胡椒」新発売 亀田製菓2025年7月2日
-
近江米新品種オーガニック米「きらみずき」パレスホテル東京で提供 滋賀県2025年7月2日
-
外食市場調査5月度 2019年比96.9% コロナ禍以降で最も回復2025年7月2日
-
王林がナビゲート 新CM「青森りんご植栽150周年」篇を公開 青森県りんご対策協議会2025年7月2日
-
飲むトマトサラダ 素材を活かした「カゴメ野菜ジュース トマトサラダ」新発売2025年7月2日