衆院農水委での質疑から⑥ 無理とされていた随意契約、一転可能になったのはなぜ やはた愛議員(れいわ新選組)2025年5月30日
5月28日、衆議院農林水産委員会で小泉進次郎農相の所信に対する質疑が行われた。れいわ新選組のやはた愛議員は、会計法上できないとされてきた備蓄米の随意契約による売り渡しが一転して可能となった事情を質した。農協の重要性にも言及した。
「農協は消費者にとっても有益」と話すやはた愛議員(れいわ新選組)
郵政民営化、農協改革が頭に浮かぶ
やはた議員は冒頭、「小泉大臣が就任されたことで、(父・純一郎首相が進めた)郵政民営化、(自民党農林部会長時代に自身が取り組んだ)農協改革が頭に浮かんだ人が多いと思う。農協は個々の生産者が互いに助け合って生活を守っていく、高めていくことを目的に設立された団体で消費者にとっても有益だ。それらの(生産者の)不安、また大臣への期待も含めて、さまざまな世論への受け止めと決意を」と問うた。
「誰が敵、誰が味方」ではなく誰とでも協力
小泉農相は「非常にありがたいと思ったのは世論調査で『価格が下がると思う』という回答が多かったことだ。政策効果も上げやすくなる。農協改革についても指摘があったが、この局面は誰が敵、誰が味方ではなく、とにかく異常高騰を抑えるためだったら誰とだって協力してやる。そうした姿勢で取り組んでいきたい」と述べた。
大臣交代で一転、随意契約に
やはた議員は、江藤前農相時代は「備蓄米は国有財産だから放出する場合は競争入札にするのが大原則だ」と言われていたのに、小泉氏への農相交代で急転直下、実現した経過を質した。
やはた議員「小泉大臣が就任とほぼ同時に随意契約に方針転換できたのは、会計法を所管する財務省と何か裏取引があったのかと思うくらいトントン拍子だった。なぜ急に随意契約に切り替えることができたのか。何事にも慎重な財務省を説得する裏技をお持ちなのか」
農水省と財務省で確認
小泉農相「そういう見方があるんだなと聞きながら勉強になった。事実は、しっかりと会計法の理解、農水省のこれまでの説明を突き合わせた中で、今回、随意契約という手法を用いることが本当にできるか、農水省と財務省の間で確認を取りながら、最終的に農水省の責任でできると判断した」
小泉農相が「前段の質問、何でしたっけ? (質問の話し方が)速かったので...」と聞き返したのでやはた議員が直接答えかけ、御法川信英委員長がいったん制止。「やはた君」と指名し「ゆっくりお願いします」と付け加えたので、議場に笑いが起きる場面もあった。
重要な記事
最新の記事
-
中小小売店の備蓄米申し込み 約1300件2025年5月31日
-
シンとんぼ(144)-改正食料・農業・農村基本法(30)-2025年5月31日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(61)【防除学習帖】第300回2025年5月31日
-
農薬の正しい使い方(34)【今さら聞けない営農情報】第300回2025年5月31日
-
全農 政府備蓄米 出荷済み12万t4000t超に 進度率62%2025年5月30日
-
備蓄米 2021年産8万t 中小小売対象に販売 30日から2025年5月30日
-
備蓄米 大手小売店に22万t売渡し 農水省2025年5月30日
-
衆院農水委で論戦 米価引き下げ一辺倒に危惧も 増産と補償「熟議の焦点」に2025年5月30日
-
衆院農水委での質疑から① 「米価下げる」それが政治が出すべきメッセージか 鈴木貴子議員(自民)2025年5月30日
-
衆院農水委での質疑から② 気合はわかるが「バナナの叩き売り」じゃない 野田佳彦・立憲民主党代表2025年5月30日
-
衆院農水委での質疑から③「米増産と所得補償」こそ市場へのメッセージ 玉木雄一郎・国民民主党代表2025年5月30日
-
衆院農水委での質疑から④備蓄米は広く行き渡るのか 前原誠司・日本維新の会共同代表2025年5月30日
-
衆院農水委での質疑から⑤ 随意契約での備蓄米放出、「出口」は 角田秀穂(公明)2025年5月30日
-
衆院農水委での質疑から⑥ 無理とされていた随意契約、一転可能になったのはなぜ やはた愛議員(れいわ新選組)2025年5月30日
-
月刊誌『家の光』創刊100周年 一世紀に見る「大衆」の夢 文芸アナリスト・大金義昭氏(1)2025年5月30日
-
月刊誌『家の光』創刊100周年 一世紀に見る「大衆」の夢 文芸アナリスト・大金義昭氏(2)2025年5月30日
-
令和7年度の秋肥 高度化成は3.3%値上げ JA全農2025年5月30日
-
【緊急寄稿・稲作農家の声】玄米60キロ2万円が"適正" 経費上昇、危うい「生命産業」2025年5月30日
-
【人事異動】農水省(5月26日付、27日付、30日付)2025年5月30日
-
「バイオスティミュラントの表示等に係るガイドライン」を公表 農水省2025年5月30日