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米:農業倉庫火災盗難予防月間2017

経営トップから現場職員まで心を一つに 【現地ルポ・JAあおば八尾農業倉庫(富山県)】2017年11月17日

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・農業倉庫火災盗難予防月間スタート(平成29年11月15日~30年1月31日)

 カントリーエレベーター、ライスセンターなどの大型乾燥調製貯蔵施設とともに、JA米穀事業の中核を担っているのが農業倉庫だ。とくに近年、米の需要低下などにより産地間競争が激しさを増すなか、より安全・安心でおいしい米を消費者に届け、選ばれる米づくりを実現するためにも、販売・流通の拠点となる農業倉庫と、そこでの品質管理の強化はますます重要になっている。JA全農と公益財団法人農業倉庫基金は、毎年、11月15日から翌年1月31日までを「農業倉庫火災盗難予防月間」に定め、JAでの保管体制の再点検などを徹底するよう呼びかけている。この運動にあわせて、北陸の米どころ・富山県のJAあおばの八尾農業倉庫を取材した。

◆箒と塵取りとモップで

toku1711171302.jpg(写真)きれいに清掃された倉庫内

 

 「え! 凄いきれいな倉庫だ...」。 
 取材に訪れたJAあおば八尾農業倉庫に入った第一印象だ。竣工直後の倉庫ならまだしも、平成18年竣工というからすでに10年経っているのに、倉庫の床はどこを見てもチリ一つなく光っている。もちろん天井や壁にも汚れはみられない。20年以上全国の農業倉庫を取材してきた経験からいえば、どこのJAでも主要品目である米の保管・管理には細心の注意をはらっており、清掃することはごく当たり前のルーチンとして実行されているが、これほど見事に清掃されている農業倉庫を見るのは、初めての経験だ。
 どのような清掃方法を取っているのかを、同JAの若土銀三八尾営農経済センター所長に尋ねた。「箒と塵取りそしてモップかけですよ」と答えが返ってきた。「掃除機は使わない?」「ええ使いません、全部職員の人力です」といって、箒やモップをきちんと収納しているロッカーを見せてくれた。それが毎日のルーチンだという。それは作業場だけではなく、フレコン倉庫や紙袋倉庫(いずれも低温)も同じで、倉庫内はいずれもきれいに整頓されている。
 「紙袋やフレコンに入った米は商品」であり、倉庫やカントリーエレベーターなどの乾燥調製・保管施設が「汚れていると品質事故やクレームにつながるおそれがあるから、清掃を徹底する」と、施設の総括責任者である藤井儀隆専務理事は考えており、実際に農業倉庫などを時間を割いて自ら回っているという。
 JAのトップがきちんとした考えを持ち、それが現場で働く人の意識までに徹底していることの大事さを改めて教えられた。

 

◆立山連峰からの豊かな水が育む

倉庫を支える職員のみなさん(写真)倉庫を支える職員のみなさん

 

フレコン集荷は3割 JAあおばは、現在は市町村合併によって富山市となっているが、現・富山市の南部(山側)に位置し、旧婦負郡の風の盆で名高い旧八尾町、旧婦中町、旧細入村、旧上新川郡の旧大山町、旧大野沢町を管内としている。背後には夏でも雪が残る立山連峰がそびえている。立山連峰からは、黒部川、常願寺川、庄川そしてJAあおば管内を流域とする神通寺川など多くの河川が富山湾に豊かな水を注ぎこんでいる。
 JAあおばは、この神通寺川流域に広がる水田地帯によって良質で食味の良い米の産地として全国にも知られている。JAの取扱高(契約数量)は44万袋/30kmで、その8割近くが「コシヒカリ」だ。そのほか「てんたかく」「てんこもり」などが作付されているが、いずれも1等米比率が90%という良質米を産出している。
 作付がコシヒカリに集中しているので、検査・入庫が集中するのではないかと心配したが、1日の検査数量を5000~6000袋/30kmと決めてコントロールしていると高橋和夫同JA営農経済部施設販売課長。それでも人手は必要なので、通常は職員6名での運営だが、ピーク時は臨時雇用をして12名体制で臨んでいるという。検査時には「量目不足」と「籾の混入」に注意している。

(写真)フレコン集荷は3割

 

◆作業を楽にする幅広い下屋

軽トラがすっぽり入る下屋 八尾農業倉庫でもう一つ感心したことがある。それは、下屋の幅が13mもあることだ。生産者の営農車はもちろんだが、大型トラックもすっぽりとその屋根の下に入るので、雨天などの作業も楽にこなすことができる。また、雨天などでフォークリフトの車輪が汚れていても倉庫内に入らないので、倉庫が汚れる心配がない。これも倉庫がきれいなことに貢献しているといえる。
 この下屋の幅広さは、「以前いた施設で下屋が狭く苦労したので、この倉庫をつくるときに"出来る限り広く"とお願いし、実現」したのだというが、これもこうした施設の大事さをJAのトップがよく理解されているからだ。
 倉庫での保管・管理でもっとも気をつけていることは「ここにある米は生産者から預かっている大事な商品なので、しっかり保管・管理しなければいけない」ので、とくに「保管水分を15%以下に保つことと、穀温の管理」だと若土センター長。そして、シートパレットを「床に直に置かず、はい積みの一番下には通常のパレットを置き、その上にシートパレットを敷きはい積み」している。床に直にシートパレットを置くと裏面に汚れが付き、それを使いまわすと紙袋にその汚れが付き、クレームとなって返品されることがあるからだ。

(写真)軽トラがすっぽり入る下屋

 

◆独自の点検活動で火災防止

農業倉庫火災盗難予防月間(平成29年11月15日~平成30年1月31日)のポスター 火災や盗難事故はないが、盗難防止については警備会社と契約している。火災については、倉庫内には事務所も含めてガスコンロがないこと、喫煙場所を限定しているが、大事なことは消防署との防災訓練以外に、独自に年2回点検活動を行い、火災事故防止に万全を期していることだ。

◇  ◆  ◇

 米どころ富山県のなかでも有数な良質米産地であるJAあおばに取材して感じたことは、米がJA組合員はもとよりJAそのものを支える基盤であることをJAトップから現場の職員一人ひとりがきちんと理解し、心を一つにして、その大事な商品である米を慈しみ守る拠点が農業倉庫だと思い運営されていることだ。

(関連記事)
農業倉庫火災盗難事故防止対策(17.11.20)
平成29年度農業倉庫火災盗難予防月間の取り組みについて(17.11.20)
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火災盗難予防対策の確認を JA全農米穀部(17.11.20)

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