補給金単価などすべて引き上げ 平成25年度畜産物価格と関連対策2013年1月28日
食料・農業・農村政策審議会畜産部会は1月25日、農水省からの諮問を受け平成25年度の畜産物価格を答申。農水省はこの答申通り25年度の畜産物価格などを決めた。
◆加工原料乳補給金、実質80銭引き上げ
加工原料乳の生産者補給金単価は35銭引き上げて1kgあたり12.55円で、3年連続の引き上げとなった。
引き上げの要因は飼料費の高騰で31銭、家族労働費の上昇で8銭、乳牛償却費で7銭など。これらが、乳用オス子牛などの販売価格上昇や、自己資本利子が下がったことなどによる生産費の削減といった引き下げ要因を上回ったため、トータルでは35銭の引き上げとなった。
限度数量は2万t減の181万tとなった。
限度数量は24年度も183万トンに対して10万トンほど未達となる見込みだが、「国産生乳原料に対する需要が強く、その需要に応えられる仕向け量を確保するため。また、生産基盤の強化にもつながる」(牛乳・乳製品課)との理由で、2万トン減に留まった。
畜産物価格とは別に、酪農の生産基盤・確保のための関連対策も決めた。
関連対策では、25年度のみの新たな対策として、加工原料乳の確保にむけた取り組みを緊急に行う指定団体に対して5億円を確保。これを補給金単価換算で1kgあたり30銭交付する。
また、チーズ向け生乳供給安定対策事業として88億円(一般予算)を確保、助成金単価を「需要が伸びつつある国産チーズへの供給を増やす」(同)ため、これまでのチーズ1kgあたり14.6円から15.1円へと50銭引き上げる。これは加工原料乳補給金単価で換算すると1kgあたり約15銭程度となる。
この結果、加工原料乳の実質補給金は、関連対策を合計して1kgあたり80銭の値上げとなり、13円程度となる。
そのほか、関連対策では、都府県対策として乳牛の維持・継承、飼養管理技術の改善、乳製品製造技術の向上などに取り組む酪農家集団に対して10億円、酪農ヘルパーの活用、牛群検定システムの高度化に対してそれぞれ4億円を支援する。
(写真)
審議会のようす
◆新マルキン、地域算定導入
指定食肉の安定価格、肉用子牛の保証基準価格と合理化目標価格は、配合飼料価格の高騰や子牛の販売価格を算定する際に基準となる体重の省令規格を10【?】30kgほどあげたことなどを上げ要因として、すべての価格を引き上げる。
関連対策では、肉用牛繁殖経営支援事業の発動基準を、38万円から41万円(黒毛和種)に引き上げるほか、新マルキン(肉用牛肥育経営安定対策)事業の地域算定のモデル実施のため869億円を組んだ。
新マルキンは、肉用牛肥育農家に対して粗収益が生産費を下回った際、その差額の8割を補てんする事業だ。
現行の制度では、生産費や粗収益の算定基準となる枝肉価格は全国一律基準で算定しているが、これを一部の都道府県において地域独自のデータをもとに算定するというもの。地域平均を算定するための一定のデータを示せる都道府県が対象で、都道府県からの要望に応じて実施地域を決める。

◆26年度予算で制度改革めざす
そのほか、鶏卵の補てん基準価格と安定基準価格をそれぞれ1kgあたり1円引き上げ、補てん基準価格を186円、安定基準価格を159円とすることや、養豚経営の安定対策として補てん金の算定方法を新マルキン事業と同様に変更することが決まった。
配合飼料価格の高騰対策としては、今後も配合飼料価格が高止まりすれば、配合飼料価格安定制度の補てん金残高が再び枯渇する恐れがあるため、通常補てん基金の市中銀行からの借入金の25年度分の返済金180億円を償還繰り延べし、その際に必要となる利子を異常補てん基金から助成することも決めた。また、安定制度の財源確保への支援として異常補てん基金への148億円の積み増し(予備費)も行う。
審議会では、畜産物価格決定の議論の中で、中長期的な課題として、?畜産・酪農経営安定対策のあり方、?穀物価格の上昇などに対応する配合飼料価格安定制度のあり方、?酪農・肉用牛の生産基盤の維持・確保を図るための施策のあり方、について、26年度の予算要求に反映できるよう引き続き検討をすすめるべきだとの意見をまとめた。
(関連記事)
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