配合飼料高騰で自民党が決議 第4四半期も緊急措置を 農相に申し入れ2023年1月19日
自民党は1月18日、「配合飼料価格高騰対策に関する緊急決議」をとりまとめ同日、野村農相に申し入れた。
決議では2022年度第4四半期も配合飼料価格が高止まりし、配合飼料価格安定制度による補てん金が減少することによって、生産者の実質負担額が大幅に上昇することが見込まれている、と指摘した。
そのうえで「生産性の向上等に懸命に取り組んでいる畜産・酪農にとって廃業が相次ぎかねない深刻な事態であるばかりか、国産農畜産物の合理的な価格での安定供給を妨げ、岸田政権の最重要課題である食料安全保障の根幹にも関わることになりかねない」と強調し、以下の内容を決議した。
〇令和4年度第4四半期についても配合飼料価格の生産者実質負担額の上昇による影響を緩和するための緊急的な措置を講じること。
〇措置を講ずるに当たっては各畜種に横断的に万全な対策とすること。
〇将来に向けて国産飼料の生産・利用の拡大等を積極的に促進し、わが国畜産・酪農における輸入飼料への過度な依存からの脱却を強力に推進すること。
配合飼料価格はウクライナ情勢を受けて原料のトウモロコシ価格が上昇していることに加えて、円安など影響で上昇してきた。2022年10月には工場渡価格で1t10万1196円(全畜種加重平均)となった。
配合飼料価格安定制度は民間(生産者と配合飼料メーカー)の積立てによる「通常補てん」と異常な価格高騰の際に通常補てんでは不足する部分を「異常補てん」として実施している。異常補てんは国と配合飼料メーカーが資金を積立てている。
農水省は価格高騰を受けて昨年9月に配合飼料価格高騰緊急対策を決め、予備費から504億円を確保した。
これは22年度第3四半期も配合飼料価格が高騰することを見込み、通常補てん金と異常補てん金とは別に補てん金を交付するという特別対策。生産コスト削減に取り組む生産者に対して交付し、実質的な飼料コストを第2四半期と同水準とすることが目的だった。
単価は1t6750円で2月末ごろに交付予定となっている。
自民党の緊急決議ではこうした特別対策を第4四半期でも全畜種で講じることを求めたもの。単価は未定だが農水省は申し入れを受けて検討する。
17日の自民党の会合では、JA全中の金原副会長が団体要請のなかで第4四半期について「補てん金が支払われたとしても同1万1000円ほど農家の負担は増加する見込みだ」と支援を訴えた。
重要な記事
最新の記事
-
地域複合農業戦略に挑む(2)JA秋田中央会会長 小松忠彦氏【未来視座 JAトップインタビュー】2024年4月19日
-
農基法改正案が衆院を通過 賛成多数で可決2024年4月19日
-
【注意報】さとうきびにメイチュウ類 伊是名島で発生多発のおそれ 沖縄県2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間特集】現地レポート:JA水戸 那珂川低温倉庫(茨城県) 温湿度・穀温 適正化徹底2024年4月19日
-
【農業倉庫保管管理強化月間にあたり】カビ対策を万全に 農業倉庫基金理事長 長瀬仁人氏2024年4月19日
-
食農教育補助教材を市内小学校へ贈呈 JA鶴岡とJA庄内たがわ2024年4月19日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第97回2024年4月19日
-
(380)震災時は5歳【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2024年4月19日
-
【JA人事】JA道北なよろ(北海道)村上清組合長を再任(4月12日)2024年4月19日
-
地拵え作業を遠隔操作「ラジコン式地拵機」レンタル開始 アクティオ2024年4月19日
-
協同組合のアイデンティティ 再確認 日本文化厚生連24年度事業計画2024年4月19日
-
料理酒「CS-4T」に含まれる成分が代替肉など食品の不快臭を改善 特許取得 白鶴酒造2024年4月19日
-
やきいもの聖地・らぽっぽファームで「GWやきいも工場祭2024」開催2024年4月19日
-
『ニッポンエール』グミシリーズから「広島県産世羅なしグミ」新発売 JA全農2024年4月19日
-
「パルシステムでんき」新規受付を再開 市場の影響を受けにくい再エネ調達力を強化2024年4月19日
-
養分欠乏下で高い生産性 陸稲品種 マダガスカルで「Mavitrika」開発 国際農研2024年4月19日
-
福島県産ブランド豚「麓山高原豚」使用『喜多方ラーメンバーガー』新発売 JAタウン2024年4月19日
-
微生物農業資材を用いた大阪産の減肥料栽培で共同研究開始 ナガセケムテックス2024年4月19日
-
栃木県真岡市産バナナ「とちおとこ」使用「バターのいとこ」那須エリア限定で新発売2024年4月19日
-
大阪泉州特産「水なす」農家直送で提供開始「北海道海鮮にほんいち」2024年4月19日