経済事業改革で意思固め JA全農いばらきが大会2018年7月17日
JA全農いばらきは7月13日、茨城県茨城町の同県本部でJA営農経済事業改革実践大会を開き、JAグループとして、改革の取り組み方向を共有するとともにJA自己改革の完遂を確認した。県内のJAから役職員、約150人が参加した。
(写真)経済事業改革を確認したJA全農いばらきの実践大会
大会では、JA全農いばらき運営委員会の佐野治会長(=写真)がJA改革について、担い手とJAの評価にずれがあることに触れ、「改革の成果を組合員や消費者にしっかり伝えるよう〝見える化〟が必要」と指摘した。
大会ではJA水戸とJA常総ひかりが、それぞれJA改革への取り組みを報告。JA水戸は、ジュース用トマトと加工バレイショの作業委託で労力を軽減し、栽培面積の維持と農業所得の向上につなげている。カゴメと契約のジュース用トマトは、収穫機械を所有する運送会社と契約し、作業時間をおよそ10分の1に短縮。10a当たり33万6000円の販売高を実現し、委託料7万円を含む生産費を差し引いて、約15万円の所得をあげている。
収穫作業の軽減によって、高齢者の引退を引き延ばし、新規参入の障害を取り除いて面積を維持するとともに、「技術・知識・買い手との関係性など無形の資源を維持できる」と、作業委託のメリットを強調した。
JA常総ひかりは、肥料・農薬の品目絞り込みと肥料の注文書の価格について、一目瞭然の「見える化」を行った。これによって生産者は低価格の肥料を選ぶことができ、JAは推進品目が明確になり、在庫回転が向上したという。
また、営農指導で現場対応力強化のためTAC(タック)体制を強化。13名のTACを配置し、指導に当たっているが、月2回の全農と生産購買課のミーティング、地区・階級を超えた交流などによって、「チームTAC」としてフォロー体制を敷いている。同JA経済部生産購買課の富田知明課長は、生産者との強い結びつきが生まれていることを実感している」と述べた。 大会ではJA全農営業開発部の寺嶋晋上席主管(=写真下)が消費の変化・動向、そしてその対応について講演した。同氏はダイエー(株)から全農に招聘された主管で、人口、年齢構成、家族形態、消費環境、食の志向の変化をあげ、Eコマースの急成長によって、中・高所得者や広域対応が得意な百貨店・CMSが苦戦する半面、地域密着・利便性・価格対応の業態が伸びていることを指摘。
その上で、「変化の激しい近年、過去の常識はあっという間に非常識になる。常に新しい情報を更新しながら、挑戦していくことが求められる」として野菜の消費を例にあげる。カット野菜、キット商品、サラダバーなど、「お客さまの多様なニーズに合わせた原料供給の提案の仕方はできているだろうか」と問題提起した。
この他、JA全農いばらき県本部の川津修本部長が全農の今後の取り組みで報告し、最後に、「頑張ろう」を三唱し、自己改革に向け意思固めを行った。大会終了後の記者会見でJA全農いばらき運営委員会副会長の棚谷保男氏は、「JA改革は国からいわれてやるのではなく、農家との話し合いによって、現場で何が起こっているか自分で確かめ、やれることから実施していくことが大切」と、現場目線の重要性を力説した。
(関連記事)
・【経済事業部門受賞】農家と共に地域と共に 久保和平・JA京都常務理事(18.07.11)
・自己改革加速化を-JA営農・経済フォーラム(17.08.24)
・経済事業改革 着実に-JA全農茨城が大会(17.07.19)
重要な記事
最新の記事
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 栃木県2025年8月20日
-
【特殊報】チュウゴクアミガサハゴロモ 県内で初めて確認 香川県2025年8月20日
-
【浜矩子が斬る! 日本経済】暗号資産危機に日本はどう対応するつもりなのか 怪しげな仮想空間憂う2025年8月20日
-
富富富2万6800円、コシヒカリ2万6000円に 「精米5kg3000円台で買えるように」 全農とやま2025年8月20日
-
コシヒカリ2.6万円 全農あおもり、概算金の目安示す 「リスク取って集荷」2025年8月20日
-
魚沼産コシヒカリ3万2500円 全農にいがた、概算金決める 背景に作柄不安と集荷競争2025年8月20日
-
随契米 販売期間を延長 10万t未引渡し 農水省2025年8月20日
-
ぞうさん♪ぞうさん♪本当に作れるの?【小松泰信・地方の眼力】2025年8月20日
-
サザエさん一家の「もりのわ」話 吹き出しコンテスト 受賞作品決定 農水省2025年8月20日
-
「8月29日は焼き肉の日」キャンペーン 50人に飛騨牛1万円相当が当たる 飛騨牛銘柄推進協議会2025年8月20日
-
水稲栽培のメタンガス排出量・生育状況を調査 JA全農ひろしまと広島大学の共同研究2025年8月20日
-
酪農感謝祭2025開催 JA北宗谷青年部が豊富町で酪農PRイベントを実施2025年8月20日
-
「生産者応援キャンペーン」第4弾は「和牛」がお得 JAタウン2025年8月20日
-
「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に伴う災害」農業経営収入保険の支払い期限を延長(続報)NOSAI全国連2025年8月20日
-
季刊『うかたま』創刊20周年記念キャンペーン開催 農分協2025年8月20日
-
サブサハラアフリカのリン欠乏水田でコメ増収を実現 国際農研2025年8月20日
-
TICAD9 農林水産省セミナー「国際共同研究が育む未来」開催 国際農研2025年8月20日
-
賃貸経営の悩みに応える「空室対策セミナー」初開催 ジェイエーアメニティーハウス2025年8月20日
-
鳥インフル ブラジルからの生きた家きん 輸入停止措置を解除 農水省2025年8月20日
-
持続可能な未来へ植物工場の可能性「第2回JPFA植物工場国際シンポジウム」開催2025年8月20日