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子実トウモロコシの収穫作業 JA全農の全面的指導で収量・品質とも最高レベルに2023年9月20日

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JA全農と宮城県のJA古川が進めている子実トウモロコシの大規模実証は、2年目の収穫作業を終え、既報の通り、最高の収穫量と品質が見込めそうだ。9月14日に行った現地見学会でJA古川の佐々木浩治組合長は「JA全農の全面的な指導でここまで来た」と語った。

今年の出来栄えは「食べてもおいしい子実トウモロコシ」となった今年の出来栄えは「食べてもおいしい子実トウモロコシ」となった

JA全農では、耕種総合対策部、米穀生産集荷対策部、畜産生産部がスクラムを組んで、水田を活用した子実トウモロコシの生産振興を検討して今回の大規模実証に挑んでいる。

「生産から流通、飼料化までの一連の現地実証を通じて子実トウモロコシの国産化に向けた体系確立に取り組んでいく」(日比健常務理事)と並々ならぬ意欲を見せているのも、近い将来、生産者の急減と耕作放棄地の拡大が危惧される中、大規模生産者においては、乾田直播、子実トウモロコシ、大豆の輪作体系の確立や耕畜連携は、地域農業、ひいては日本の農業生産基盤の強化、食料自給率を向上させていくために不可欠の課題、という認識があるからだ。

JA古川の佐々木浩治組合長は、今年の米の作柄にも言及し、宮城県は「やや良」と収量面では心配ないが、代表銘柄「ひとめぼれ」は全量1等米となったものの、「ササニシキ」は若干等級が落ちると報告。こうした中、農家所得の向上にとって、「子実トウモロコシ」の普及拡大を選択肢として模索する生産者も多く見学に来た。JA全農が今回の子実トウモロコシの大規模実証を成功させようとする意気込みは十分に伝わったようだった。

JA全農耕種総合対策部営農・技術センターつくば営農企画室の村岡賢一室長JA全農耕種総合対策部営農・技術センターつくば営農企画室の村岡賢一室長

苗立は目標7000粒を目途に播種を実施

JA全農耕種総合対策部営農・技術センターつくば営農企画室の村岡賢一室長は、昨年度からスタートした大規模実証を水田輪作の新たな取組として紹介。昨年は排水不良、出荷生育不良、害虫アワノメイガによる食害などが重なり予想していた収量には及ばなかった。それでも10a当たりの労働時間は少なくて済むことが明らかとなり、今年度も生産者の理解が得られ、JA古川の管内30経営体で約108haの子実トウモロコシを作付けした。播種は4月19日から開始し、4月中に約82ha、5月下旬までに約26haを完了した。

昨年の課題であった苗立ちは、播種前に明渠やサブソイラー等の排水対策を実施し、播種機の目皿選定や播種スピードを徹底したことで「目標としていた10a当たり6500~7500粒を、調査地点30ヵ所のうちの約7割で確保することができた」と振り返った。

堆肥は播種前に鶏糞ペレットを10a当たり500㎏、基肥はオール14を10a当たり40㎏を散布。播種は目皿式播種機と真空播種機で行い、播種精度の比較を行っている。また、除草剤は4月20日にラクサー乳剤、5月26日にアルフォード液剤を散布した。

その後もほ場を管理する富長生産組合組合長の鈴木正一氏による丁寧な栽培が功を奏し、全体として生育は良好だった。一方、子実トウモロコシ生産では、家畜の健康に影響するカビ毒の汚染が課題であり、昨年はアワノメイガの被害を受けた。そうした中、今年5月に殺虫剤「プレバソンフロアブル5」が飼料用トウモロコシ(子実)に適用拡大となり、今作は防除を徹底して実施したことなどを報告した。

JA全農耕種資材部 農薬技術対策室の青山良一室長JA全農耕種資材部 農薬技術対策室の青山良一室長

「プレバソン」は出穂期の1回散布を基本に

JA全農耕種資材部農薬技術対策室の青山良一室長は、アワノメイガ対策の救世主「プレバソンフロアブル5」が5月に飼料用トウモロコシ(子実)に適用拡大されたのを受けて、全ほ場で殺虫剤の空散防除を実施したことを紹介。空散に当たっては、JA全農宮城県本部を通じてヤンマーヘリ&アグリに作業委託し、ドローンでの散布を行った。4月播種分では、ドローン3機を投入し、効率的な防除を実施するため、防除の時期や回数を変えた実証(対象区、1回散布区、2回散布区)を行った。

青山室長によれば「よく効いてほとんど差はなかったが、今年の結果を見ていると、7月8日の出穂期頃(絹糸抽出期)の1回散布を基本としつつ、ほ場の状況をみて場合によってはその後の追加散布するかどうかを決めるという考え方がいいのではないかと思っている」と語った。まだ、結果自体がすべて出揃っていないので、最終的にはカビ毒の結果や、フェロモントラップの調査も続けている。「それらを勘案しながら最終的に結果を解析して、次年度の対策に生かしていきたい」と付け加えた。

生産性向上には薬剤散布の重要性を実感

パイオニアエコサイエンス(株)の白戸洋一所長パイオニアエコサイエンス(株)の白戸洋一所長

一方、種苗会社のパイオニアエコサイエンス(株)の白戸洋一所長からは、今回の実証で使用した飼料用トウモロコシ品種「34N84」について、その品種特性と生育状況について紹介があった。「見ての通り何も問題なく生育している状況。品種本来のパフォーマンスがでているのではないかと思う」と感想を述べた。

白戸所長によれば、栽培日数108日の「34N84」は、飼料用トウモロコシ(子実)の主力品種であり、全国展開(北海道を除いて)している。今回の実証ほ場の子実トウモロコシについては「先の方まで中身が詰まっている。普通はほ場の中に入ると小さい個体のものが出て来たりするが、平均的に健全果が多く、非常に生育は良好」とし、「水分計で測定してみると本日収穫したものは21~22%だった。収穫適期が25~26%以下なので収穫時期として問題ない」と付け加えた。最後に「何よりも特徴的なのは、プレバソンはよく効くということ。びっくりしている。生産性向上のためには、栽培技術も大切だが、害虫アワノメイガの徹底防除に役立つ薬剤という点で、プレバソンは非常に重要であると実感した」と語った。

コンバイン・グレンタンクからの搬出作業コンバイン・グレンタンクからの搬出作業

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