JAの活動:今さら聞けない営農情報
有機農業とは30【今さら聞けない営農情報】第149回2022年5月14日
令和3年5月12日に決定された「みどりの食料システム戦略」では、有機農業の推進が大きな目標となっています。有機農業に取り組むあるいは拡大するためには、有機農業についてよく理解する必要があり、本稿では、その大元となる有機JAS規格について解説しています。過去3回(N0.137、No.138、No.139)に渡り、別表2の有機栽培で使用できる農薬等資材の概略をご紹介しました。現在、別表2で示された資材を使用する際の留意点を、別表2に掲載されている順番に沿って連番で紹介しています。
20.天敵等生物農薬
天敵等生物農薬とは、害虫の天敵であったり、細菌がつくる害虫毒素であったり、病原菌の生育を妨げる菌であったりと、病害虫の活動を妨げる働きをする生物のことをいいます。最初の「天敵昆虫による捕食で効果」を示すものは、商品名で、アカメ、エンストリップ、オリスターA、ククメリス、システムスワルくん、スワルスキーなどがあります。
いずれも、天敵が定着するには、餌となる害虫が一定量発生している必要があったり、天敵放飼の時期や害虫がいない場合の天敵の餌となるものの用意、天敵に害のある農薬の使用方法とインターバルなど、天敵にうまく働いてもらうための環境づくりが重要です。
天敵をただ散布(放飼)しただけでは期待した効果が得られないことも多いので、使用前に使用上の注意事項や使用方法をよく読んで着実に順守するようにします。
以下、捕食性の天敵農薬とそれぞれの防除対象害虫を整理しましたので参考にしてください。

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