「鳥獣対策優良活動表彰」受賞者を決定 農水省2020年2月3日
農林水産省は、鳥獣被害防止や捕獲した鳥獣の食肉(ジビエ)の利活用などに取り組み、地域に貢献している個人や団体を表彰する「鳥獣対策優良活動表彰」を実施しているが、令和元年度の農林水産大臣賞と農村振興局長賞の受賞者を決定した。表彰式は2月20日同省本館7階講堂で行われる。
野生鳥獣による農林水産業への被害が全国的に深刻になっているため、農水省は、各地域における鳥獣対策を推進している。
「鳥獣対策優良活動表彰」は、優良事例を広く紹介することで、効果的な鳥獣対策の推進を図ることを目的としている。
今回決定した令和元年度の農林水産大臣賞と農村振興局長賞の受賞者および取り組みの概要は次のとおり。
▽農林水産大臣賞(被害防止部門(団体)) 南会津町中荒井(なかあらい)集落【福島県】
○電気柵管理責任者による電気柵の定期点検、野生動物が出没しにくい環境づくりのための緩衝帯整備や草刈りなどの共同作業など「集落ぐるみの鳥獣被害対策」を実施。
▽農林水産大臣賞(捕獲鳥獣利活用部門(団体)) 小諸市【長野県】
○有害捕獲頭数の増加に伴う焼却処理の財源負担増を解消するため、ペットフードを製造。ブランド化し、商品の販路拡大などに取り組み黒字化を達成。市内の捕獲個体はほぼ全て利活用し、近隣市町からも捕獲個体を受け入れている。
▽農村振興局長賞(被害防止部門(団体)) 山上(やまかみ)地区有害鳥獣対策協議会【山形県】
○正しい電気柵の設置ノウハウを地域全体で共有するとともに、サルの誘引となる地域全体の放任果樹(400本)を計画的に伐採、残したカキは柿もぎイベントとして地域活性化にも利活用。
▽農村振興局長賞(被害防止部門(団体)) 対馬市【長崎県】
○ICTを活用し被害状況と対策の効果を可視化することで、専門家(地域おこし協力隊)と地域住民が情報を共有するとともに、データに基づく地域に適した防護と捕獲対策の提案を通じ、住民主体の対策を実施。
▽農村振興局長賞(被害防止部門(団体)) 山鹿市鹿北町浦方(うらがた)集落【熊本県】
○他県の優良事例の視察をきっかけに、住民の意識改革。柵の適正管理や竹林の整備を実施し、被害低減を図るとともに、放棄されていた竹林を新たに「観光タケノコ園」として再生。
▽農村振興局長賞(被害防止部門(個人)) 原田勝男【北海道】
○農家自らエゾシカ・アライグマ被害から自衛するため、わなの設置指導やわな免許取得など人材育成に尽力。活動は全道に拡がり、14年間でのべ100回を超える講演会や現地指導を実施。
▽農村振興局長賞(捕獲鳥獣利活用部門(団体)) 特定非営利活動法人cambio(カンビオ)【兵庫県】
○24時間受け入れ体制の構築により町内の有害捕獲個体の8割以上を受け入れ。「無添加シカ肉ドッグフード」を製造し、障害者の雇用機会創出に取り組む。
▽農村振興局長賞(捕獲鳥獣利活用部門(個人)) 中田雅之【徳島県】
○和食料理人の視点で、新たなシカ肉メニューの開発や調理技術の開発などにより、ジビエ料理の普及や認知度向上に貢献。
表彰式の概要は次のとおり。
▽日時 2月20日(木)10時~10時30分
▽会場 農林水産省本館7階講堂(東京都千代田区霞が関1-2-1)
なお、表彰式後に開催する「第7回全国鳥獣被害対策サミット」で、受賞者からの発表などを予定している。
(関連記事)
・鳥獣対策優良活動の表彰と被害対策サミットを開催 農水省(2019.12.27)
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