品種の海外流出防止へ 来年度から農研機構の品種など海外登録へ 2,3年後の法人化目指す2022年12月6日
シャインマスカットなど有力品種の海外流出が問題となる中、農水省の検討会は12月2日、育成者権者に代わって海外への品種登録などの業務を行う「育成者権管理機関」を早期に設立すべきとする提言をまとめた。同省は、準備体制を整えて来年度から農研機構の品種などの海外登録を始め、2,3年後の法人化を目指すとしている。
育成者権管理機関のイメージ(農水省の資料より)
新品種の海外流出が問題となる中、種苗法の改正で育成者権者が流出防止に取り組みやすくなったとされるが、公的機関や中小の種苗会社では体制や予算が限られ、登録品種の適切な管理は難しい。このため検討会で専任的に知財を管理する「育成者権管理機関」のあり方について議論を重ねてきた。
提言では、育成者権管理機関は育成者権者に代わって海外への品種登録や海外での品種保護を実効的に行い、相応の許諾料を得て、品種開発への投資を促すべく育成者権者に還元することを基本とし、事業展開によってはマーケティングやブランディングによる品種の利用拡大や、侵害対応のサポートなどを行うことも考えられるとしている。
そのうえで、農研機構を中心に都道府県、全農などが連携して準備態勢を整備し、まず来年度から農研機構等の限定的な範囲の品種を対象に、海外への品種登録や海外ライセンス等の取り組みに着手し、業務の基盤を整えながら早期の法人設立を目指すことが現実的だと提言を示している。
また、こうした取り組みが円滑に進むよう、国も適切な形で関与することが期待されるとし、必要な各国の関連機関の調査、海外への権利取得などを国が支援して早期の自律的運営を後押しすることを求めている。
最後に同提言では、育成者管理機関の設立には生産者団体、流通業者など多様な主体の参画を促し、オールジャパンの取り組みにつなげる必要があると指摘した。農水省は来年度から具体的な取り組みを始め、2,3年後には法人を設立したいとしている。
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(146)-改正食料・農業・農村基本法(32)-2025年6月14日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(63)【防除学習帖】第302回2025年6月14日
-
農薬の正しい使い方(36)【今さら聞けない営農情報】第302回2025年6月14日
-
群馬県の嬬恋村との国際交流(姉妹)都市ポンペイ市【イタリア通信】2025年6月14日
-
【特殊報】水稲に特定外来生物のナガエツルノゲイトウ 尾張地域のほ場で確認 愛知県2025年6月13日
-
【注意報】りんごに果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 岩手県2025年6月13日
-
SBS輸入 3万t 6月27日に前倒し入札2025年6月13日
-
米の転売 備蓄米以外もすべて規制 小泉農相 23日から2025年6月13日
-
46都道府県で販売 随意契約の備蓄米2025年6月13日
-
価格釣り上げや売り惜しみ、一切ない 木徳神糧が声明 小泉農相「利益500%」発言や米流通めぐる議論受け2025年6月13日
-
担い手への農地集積 61.5% 1.1ポイント増2025年6月13日
-
【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】生産者米価2万円との差額補填制度を急ぐべき2025年6月13日
-
井関農機 国内草刈り機市場を本格拡大、電動化も推進 農機は「密播」仕様追加の乗用田植え機「RPQ5」投入2025年6月13日
-
【JA人事】JA高岡(富山県)松田博成組合長を新任(5月24日)2025年6月13日
-
【JA人事】JAけねべつ(北海道)北村篤組合長を再任(6月1日)2025年6月13日
-
(439)国家と個人の『食』の決定権【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年6月13日
-
「麦とろの日」でプレゼント 東京のららぽーと豊洲でイベントも実施 JA全農あおもり2025年6月13日
-
大学でサツイマイモ 創生大学と畑プロジェクト始動 JA全農福島2025年6月13日
-
JA農機の成約でプレゼントキャペーン JA全農長野2025年6月13日
-
第1回JA生活指導員研修会を開催 JA熊本中央会2025年6月13日