「できない」を「できる」に変えれば付加価値に イオン農場がめざすこと イオンアグリ創造 福永庸明社長2024年12月12日
イオングループの農業法人、イオンアグリ創造は直営21農場、約300のパートナー農場からイオングループ各社に約100品目を供給している。直営農場は約400haで600人が働く。野菜づくりでは最大級の法人である同社がめざすものとは。農業参入フェア2024で福永庸明代表取締役社長が語った。以下は発表要旨。
発表する福永庸明イオン創造代表取締役社長
2009年の船出から
2009年、茨城県牛久市で事業を始めたが、小松菜を栽培するハウス内が黄色い花畑になった。収獲できずに小松菜が成長し、可憐な花が咲いた。そういう失敗をしながら技術力を付け、野菜が高騰する中でもしっかり出荷している。
農業を近代化しよう。若者が働きたいと思える職業にしていこう。そういう思いをもって私たちは船出をした。
2028年に向け有機転換
「お父さんがあんなことしとったから、俺たち大変なことになってる」と子どもたちに言われたくない。持続可能な農業に向けて、6つのことに取り組んでいる(以下の①~⑥)。
①オーガニックには、グループとして30年の歴史がある。直営農場は2028年をめどに有機転換を進める。
②化学農薬・化学肥料削減では、旭化成と組んで、有機液肥を使ってトマトを栽培している。
久喜農場では木質バイオマスを使ってCO2排出を削減しJ-クレジットも取得した。三重いなべ農場では農研機構と共同でCO2削減に取り組んでいる(③ゼロ・カーボン)。
バイヤーと違う子どもたちの価値
④プロダクション・ロス問題では、規格外野菜を「もったいないをおいしく」と銘打って販売した。バイヤー側の価値観とお客さんの価値観は違い、特に子どもたちは環境に敏感だ。
世界で普及している安全な農場運営の規格「GLOBAL G.A.P」を全直営農場で認証取得した。食品安全、労働安全、環境保全が求められるが、それが経営安全につながる(⑤品質管理・人権尊重)。誰もが働ける環境を作っていこうと農福連携にも力を入れている。
じゃがいも0.3円/g、ポテチになると4円/g
⑥ブランド価値向上にも取り組んでいる。じゃがいもはグラム0.30円だが、ポテトチップになるとグラム4円になる。どう付加価値をつけていくか。今の流通では「できない」ことを「できる」に変えると付加価値が付く。青取りをして出荷するトマトを、物流の時間を短縮し赤くなってからトマトを収獲すると「昔のトマトの味がする」と高齢のお客様に喜ばれる。
福永社長は、農園で収穫した農産物をその日の夕食でいただく農業体験×キャンプ「アグラーケーション」
も紹介した
重要な記事
最新の記事
-
シンとんぼ(164)-食料・農業・農村基本計画(6)-2025年10月18日
-
みどり戦略対策に向けたIPM防除の実践(81)【防除学習帖】第320回2025年10月18日
-
農薬の正しい使い方(54)【今さら聞けない営農情報】第320回2025年10月18日
-
【浅野純次・読書の楽しみ】第114回2025年10月18日
-
【注意報】カンキツ類に果樹カメムシ類 県内全域で多発のおそれ 高知県2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(1)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(2)2025年10月17日
-
【国際協同組合年・特別座談会】いまなぜ二宮尊徳なのか 大日本報徳社鷲山社長×JAはだの宮永組合長×JAはが野猪野氏(3)2025年10月17日
-
25年度上期販売乳量 生産1.3%増も、受託戸数9500割れ2025年10月17日
-
(457)「人間は『入力する』葦か?」という教育現場からの問い【三石誠司・グローバルとローカル:世界は今】2025年10月17日
-
みのりカフェ 元気市広島店「季節野菜のグリーンスムージー」特別価格で提供 JA全農2025年10月17日
-
JA全農主催「WCBF少年野球教室」群馬県太田市で25日に開催2025年10月17日
-
【地域を診る】統計調査はどこまで地域の姿を明らかにできるのか 国勢調査と農林業センサス 京都橘大学学長 岡田知弘氏2025年10月17日
-
岐阜の飛騨牛や柿・栗など「飛騨・美濃うまいもん広場」で販売 JAタウン2025年10月17日
-
JA佐渡と連携したツアー「おけさ柿 収穫体験プラン」発売 佐渡汽船2025年10月17日
-
「乃木坂46と国消国産を学ぼう!」 クイズキャンペーン開始 JAグループ2025年10月17日
-
大阪・関西万博からGREEN×EXPO 2027へバトンタッチ 「次の万博は、横浜で」 2027年国際園芸博覧会協会2025年10月17日
-
農薬出荷数量は0.5%増、農薬出荷金額は3.5%増 2025年農薬年度8月末出荷実績 クロップライフジャパン2025年10月17日
-
鳥取県で一緒に農業をしよう!「第3回とっとり農業人フェア」開催2025年10月17日
-
ふるさと納税でこどもたちに食・体験を届ける「こどもふるさと便」 IMPACT STARTUP SUMMIT 2025で紹介 ネッスー2025年10月17日