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農政:緊急特集・衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち

藤井聡 京都大学教授 分散型国土確立しパンデミックと戦う【衝撃 コロナショック どうするのか この国のかたち】(上)2020年5月18日

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地方投資で一極集中脱し強靭性向上

新型コロナウイルスのパンデミックにより、我が国の脆弱性が露呈した。ウイルス自体は弱毒性であるにも関わらず、一極集中という国土の特性が対応を難しくしている。京都大学の藤井聡教授は、コロナ感染症との戦いに勝利するため、地方投資によって「強靱性(レジリエンス)」を向上させていくことが大切だと説く。

◆麻痺状態に陥った社会・経済

藤井聡新型コロナウイルスのパンデミックは、我が国のもろさ。すなわち「脆弱性」をあぶり出した。
感染者が増加し始めた頃から、いきなり「医療崩壊」が騒がれた。そして、それを防ぐため矢継ぎ早に政府から「自粛」要請が出され、東京・大阪などの大都市部に「緊急事態」が宣言され、その後しばらくして全国に拡大した。結果、日本経済は「麻痺状態」に陥り、いずれの企業も大幅な売り上げ減少を強いられ、倒産や失業が相次ぐ事態となった。
5月中旬には新規感染者数も落ち着きをみせ、緊急事態は解除されていったが、日本経済に対する爪痕は深刻なものである。さらに、倒産・失業が危惧される状況に至っている。
しかも、恐る恐る都市・経済の諸活動は再開されているが、第二波の訪れは不可避ではないかと今言われている。そうなれば再び「緊急事態」が発令され、再び社会・経済が麻痺状態となり倒産・失業が拡大していくことは不可避だ。
つまり、コロナが中国からやって来たせいで大都市を中心に感染が広がり、感染症対応の医療システムはすぐに破綻寸前に至り、社会経済は完全に麻痺状態となった。その後も長期にわたって経済は低迷し続け、その結果社会・経済は大打撃を受けることになるのである。

 
◆弱毒性ウイルスが大打撃与える

コロナは新型であるがゆえに未知のことが多いと言われたが、それでも既に400万人以上の感染者が報告されている今日までに、多くのことが明らかになってきている。中でも明白になってきているのが、その「毒性」である。
そもそも、SARSやMERS、エボラ出血熱、さらにペスト等は感染した場合に亡くなってしまう致死率が、7~8割に達するウイルスである。それらは明確に「強毒性」と呼ぶべきウイルスだ。一方、コロナの場合は当初から致死率は2~3%程度と言われていたが、全ての感染者を母数にした場合はその数分の一から数十分の一程度になると言われている。従って、コロナは明らかにSARSやMERS等に比べれば「弱毒性」と呼ぶべきウイルスなのだ。
しかも、若年層に限ればさらに致死率は低く0.1%をはるかに下回る水準にあると推定される。季節性のインフルエンザでも人命が失われることがあるが、とりわけ若年層に着目すれば、少なくとも致死率の点で言えば両者の間に大きな差があるとは言えない。というよりもむしろ、インフルエンザの方が致死率が高いということになる。
ちなみに、肺炎は世界で年間4億5000万人が発症しており、400万人が死亡していると報告されている。つまり、肺炎になった場合の致死率は約1%ということになるが、肺炎と比べてみてもコロナがとりたてて「強毒性」のウイルスと言うことは困難なのである。
つまり、日本も世界もインフルエンザとの毒性についての差異が明確ではない弱毒性のコロナウイルスによって、経済・社会が激しく傷付けられてしまったのである。
仮の話であるが、これが20世紀半ばであったなら各国政府はここまで激しいロックダウンなり、8割自粛要請などといった極端なことはしていなかった可能性は十分考えられる。当時はまだPCR検査がないため、コロナに感染している人々を見つけ出すことができない以上、通常の「コロナウイルス」と同じ扱いを受けていた可能性がある。そうであったとしても、上述のように肺炎で毎年400万人の命が失われているのであるが、その数がコロナのせいで「増加」した可能性はあるだろうが、そうでない可能性も十分に考えられる。


分散型国土確立しパンデミックと戦う(下)に続く

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