農薬:防除学習帖
トマトの防除暦8【防除学習帖】第142回2022年3月18日
現在、本稿ではトマトを題材に防除暦の作成に取り組んでいる。病害虫雑草は、地域やほ場単位で発生する種類、程度、時期等が異なっていることを考慮し、できるだけ共通する病害虫や問題病害虫を、栽培開始から発生する順に取り上げながら、活用できる防除法や利用する場合の留意点を紹介している。
今回から、定植以降発生する病害虫の防除についてひも解き、今回はトマト斑点病を紹介する。
1.病原と生態
トマト斑点病は、「Stemphylium lycopersici」という糸状菌によって起こる病害で、主に葉に発生する。葉に円形病斑を作り、まわりは黒褐色で中心部はやや光沢のある灰褐色で、病勢が進むと中心部に穴があくのが特徴である。定植後に下葉から発生し、順次上位の葉に拡がっていく。前作の被害茎葉とともに越冬し、次作の時にそこから胞子を発生させて伝染していく。基本的に施設栽培で早春から発生し、樹勢が衰えると発生しやすくなり、多湿条件が重なると多発生となる。
2.防除法
(1)耕種的防除
①多湿にならないように管理することで、発生を少なくすることができるので、湿度管理を中心に対策を行う。次のポイントを参考に、できれば複数組み合わせて実施すると良い。
②樹勢が衰えないように、適正や栽培管理に気をつける。特に窒素肥料は過剰も不足も病勢拡大の要因になるので、適正施肥を徹底する。
③次作の発生源となる被害茎葉を施設内に残さないように徹底する。
④分生胞子を拡散させないようにするため、早期発見を心がけ、病斑を見つけたらできるだけ速やかに取り除く。
⑤風通しを良くして、灌水や排水に注意して、過湿にならないようにする。
(2)化学的防除
発生が多くなった後では、たとえ治療効果のある薬剤でも十分な効果を発揮できないので、予防効果のある薬剤の定期散布を基本とし、病害が発生したら、発生初期のまだ病害が少ないうちに治療効果のある薬剤を使用して徹底防除を行うようにする。
散布にあたっては、成分系列の異なる薬剤でのローテーション散布を心掛ける。


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